二人を繋ぐ愛の歌
「沙弓、俺は……」
「……陽人が言い返すことが出来ないなら、さっきみたいに私が代わりに言い返せばいいだけだよね?
ダサいって笑われても私や陽人が気にしていなければそれでいいし、決定的な言葉は……いつかは欲しくなるかもしれないけど、今はなくても態度……とかで伝えてくれるなら……その、問題ないと思う。
……と言うか“諦めたくない”とか“手離したくない”って言ってる時点でもう……」
決定的な言葉と一緒な気がするーー
そう思いながら沙弓は恥ずかしいのを堪えて懸命に言葉を紡いだが最後の方になると最初の勢いはなくなり声も小さくなっていった。
「沙弓……」
「でも、陽人が野望を達成するまで私だって言わないから。
態度で伝えることだって恥ずかしくてきっと出来ないだろうし……そうなったら陽人の方が心配で不安で辛くなるかもしれないんだから。
そんな状態で我慢できなくなるのは陽人の方かもしれないからね」
我ながら何の強がりなのかと思いながらそう言い放ち、差し出されたままの陽人の手に自分の手を乗せた沙弓を陽人は暫く唖然とした様子で見つめてから突如腹を抱えて笑いだした。
「ま、また笑うっ!!私何かおかしな事言った!?」
「いや、言ってない……言ってないけど、ごめん。
笑いが止まらない……」
「もうっ……陽人なんか知らないからっ!」
そう言って一瞬だけ繋いだ手を振り払ってそっぽを向くと、陽人は笑いながら何度も謝ってきた。
やがて笑いがおさまりつつあった陽人を前に、残っていた酒を煽るように呑むと陽人が嬉しそうな表情で口を開いた。
「ありがとう、沙弓。
おかげですごく良い曲が書けそうだよ」
そう微笑んだ陽人は瞳をキラキラと輝かせていてどこか吹っ切れたような顔をしていた。
きっと素晴らしい曲が聴かせてくれると沙弓も確信して、目を細めて微笑んだ。
「……陽人が言い返すことが出来ないなら、さっきみたいに私が代わりに言い返せばいいだけだよね?
ダサいって笑われても私や陽人が気にしていなければそれでいいし、決定的な言葉は……いつかは欲しくなるかもしれないけど、今はなくても態度……とかで伝えてくれるなら……その、問題ないと思う。
……と言うか“諦めたくない”とか“手離したくない”って言ってる時点でもう……」
決定的な言葉と一緒な気がするーー
そう思いながら沙弓は恥ずかしいのを堪えて懸命に言葉を紡いだが最後の方になると最初の勢いはなくなり声も小さくなっていった。
「沙弓……」
「でも、陽人が野望を達成するまで私だって言わないから。
態度で伝えることだって恥ずかしくてきっと出来ないだろうし……そうなったら陽人の方が心配で不安で辛くなるかもしれないんだから。
そんな状態で我慢できなくなるのは陽人の方かもしれないからね」
我ながら何の強がりなのかと思いながらそう言い放ち、差し出されたままの陽人の手に自分の手を乗せた沙弓を陽人は暫く唖然とした様子で見つめてから突如腹を抱えて笑いだした。
「ま、また笑うっ!!私何かおかしな事言った!?」
「いや、言ってない……言ってないけど、ごめん。
笑いが止まらない……」
「もうっ……陽人なんか知らないからっ!」
そう言って一瞬だけ繋いだ手を振り払ってそっぽを向くと、陽人は笑いながら何度も謝ってきた。
やがて笑いがおさまりつつあった陽人を前に、残っていた酒を煽るように呑むと陽人が嬉しそうな表情で口を開いた。
「ありがとう、沙弓。
おかげですごく良い曲が書けそうだよ」
そう微笑んだ陽人は瞳をキラキラと輝かせていてどこか吹っ切れたような顔をしていた。
きっと素晴らしい曲が聴かせてくれると沙弓も確信して、目を細めて微笑んだ。