溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
「そんなこと言ってないで、修ちゃんもやってみたら意外とハマるかもしれないわよぉ? あたしよりきれいになったりしてね」
「やめてくれ」
篠宮先生の女装、たしかにとてつもなくきれいになりそうだ。下手すると私より女らしくなるのではないかと思いなにげに落ち込む。
「あら、なに暗い顔してるの?」
「私もきれいになりたいなと思いまして」
「柚ちゃんには柚ちゃんの良さがあるわよ? かわいいじゃないの」
「いえ、拓さんの方がよっぽどきれいだし、かわいいです」
「やだぁ! そんなこと言ってくれたの、柚ちゃんが初めてよぉ! 嬉しいわぁ」
私に足りないものは色気なのかもしれない。肌ツヤも悪いし、どうしたらそこまで女性らしくなれるのかぜひ教えてほしいものだ。
「いーい? 女はね、恋をしたら変わるものよ。本気になれる相手を見つけて、キュンキュンしなさい。それがきれいの秘訣よ」
「こ、恋……ですか」
「そうよぉ。ていうか、あんたたち、恋人同士じゃないの?」
「ち、違います」
「あらやだ、てっきり勘違いしてたわ」
「ゆくゆくは結婚する予定だ」
「あら、そうなの?」