溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜

「ち、ちがいますっ」

「プロポーズは何度もしてるんだがな。なかなか首を縦に振ってくれない」

「まぁまぁ。修ちゃんには、世の中の常識が欠けているみたいね。呆れてものも言えないわ」

「言っているじゃないか」

「やめなさい、人の揚げ足を取るのは。それにしても、修ちゃんは言い出したら聞かない頑固者だから、覚悟した方がいいわよ、柚ちゃん」

「えっ？」

私の味方についてくれたと思ったのに、あっさり翻されて拍子抜けする。

「この男ほどやっかいな相手はいないんじゃないかしら？ 今まで言い出したことは全部実現させてきたからね。挫折を知らないのよ。でもまぁ、こればっかりは相手の気持ちもあるからね。もちろんあたしは、修ちゃんの幸せも柚ちゃんの幸せも願ってるわ」

弟思いのいいお兄さんだ。おまけかもしれないけれど、初めて会った私の幸せまで願ってくれるなんて。

「柚、どうだ？ そろそろ俺にする気はないか？」

「イチオシよぉ、修ちゃんは。あたしからも推薦するわ。なんたって、修ちゃんがあたしの前に初めて連れてきた女性だもの」

初めて？

本当に？

「兄貴、余計なことは言わないでくれ」

「修ちゃんの部屋にも行ったことがあるかしら？ 部屋にスキンケアグッズが揃えてあったでしょ？ あれね、あたしのだから勘違いしないでね」