溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
慣れた手つきで下着を外すと、胸が窮屈な締めつけから解放された。
熱い吐息が耳元で聞こえて、奥の奥まで甘く溶かされていく身体。私は彼の首に必死にしがみつきながら、じわじわと押し寄せてくる快楽にただ身を任せた。
「柚」
ゾクリとするほど低く艶のある甘い声に胸がキュンと疼く。冷たい指先は燃えるように熱くて、比例するように私の全身ものぼせ上がっていく。
全身のいたるところに篠宮先生の口づけが落とされ、恥ずかしさで隠そうとすると、征服欲を煽ってしまったのか、余計に激しく愛撫されて声が出る。
「あ、んっ」
唇を引き結んで堪えていると、クスッと笑われてさらに恥ずかしさでいっぱいになった。
同時に目の前がクラクラして視界がゆがむ。
「かわいいな、柚は」
やめて、耳元で甘い声で囁くのは。
ズルい。
頭がボーッとしてなにも考えられない。
そう、なにも……。
って、あれれ?
ダメだ、意識が遠のいていく。
篠宮先生の顔がグワングワン目の前で回って、自分の身体もなんだかふわふわ宙に浮いているような感覚。
身体が熱いせいもあって、今頃、アルコールが回ったのかもしれない。
酔った時の感覚によく似てる。
ダメ、だ。
目を閉じながら、私はそのままゆっくり意識を手放した。