溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
「私、もう一度自分で説明します。これ以上皆さんに迷惑をかけるわけにはいきませんから」
立ち上がりミーティングルームを出ようとする。
「待って、いいの。とりあえず日下部さんには、ほとぼりが冷めるまで休んでもらうことになったから」
「え? でも、私、このままじゃ納得できません」
「院長先生直々の決定事項よ。有給もたくさん残っていることだし、リフレッシュしてきなさい。あとのことは気にしなくていいわ」
「でも……」
と言いかけてやめた。師長がとても疲れたような顔をしていたから。これ以上私がごねれば余計に迷惑をかけることになる。
大人しく言い分に従うのが今の私にできる唯一の最善策。
だからといって気分が晴れるわけではないけれど、これ以上どうすればいいのかわからなかった。