溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
「離れて眠るなんて、ありえないだろ」
そう言われては、もうなにも言い返せない。隅っこのほうで小さくなっていると、暗闇の中でフッと笑う声がした。
「そんなに警戒しなくても、なにもしないよ。できるわけないだろ?」
「さっきもそう言ってましたけど」
「めちゃくちゃにしてやりたいのは本音だが、約束通り今夜は我慢するよ」
「なっ」
私をからかっているだろう楽しげな口調。修さんはやっぱり意地悪だ。そしてどれだけ私をドキドキさせれば気が済むのだろう。
「柚をからかうと、反応がかわいくてついな」
「ひ、ひどいです」
「愛情表現だよ」
「……っ」
こんなに幸せでいいのかな。
布団の中で修さんの腕をギュッと握った。すると腰に手を回されて引き寄せられる。引き締まったしなやかな身体がピタッと密着してきて、力いっぱい抱きしめられた。
こんなに過度な愛情表現は初めてで、どういう反応をすればいいのかわからない。
それは修さんにも伝わったらしく、クスッと笑われた。そのあと触れるだけのキスが降ってきて、私の身体は解放された。
お互いに手だけはしっかり握って眠りにつく。
「柚、愛してるよ」
眠りに落ちる瞬間、そんな声が聞こえたような気がした。