溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
「言いたいことはそれだけですか? だったらもうお引き取りください」
これ以上話していても気が滅入るだけだ。私のことを恨んでいるなら放っておいてほしいのに、徹底的に潰さないと気が済まないのだろう。
そうやって彼は世の中を歩いてきたにちがいない。
「そういうわけにはいかない。おまえには責任を取ってもらう」
「せ、責任?」
気味悪くほくそ笑むのを見て、背筋がぞくりと粟立った。ジリジリと距離を詰められて、私は無意識に椅子から立ち上がる。
「一度でいいから抱かせろよ」
「は?」
信じられないワードに思わず耳を疑う。ますます、なにを言っているのかわからなくなった。
「あの件以来病院にも居づらくなって、逃げるように実家に帰ってきたんだろ? 篠宮先生にも愛想を尽かされて、寂しいんじゃないのか?」
「な、なにを、言ってるの」
ニタニタと吐き気がするほどの薄気味悪い笑みを浮かべて、舐め回すようなねっとりとした視線が全身に絡みつく。
嫌だ、気持ち悪い。