溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜

外へ出るのかと思いきや、エレベーターに乗せられてどんどん上昇していく。どうやら最上階のひとつ下の階へと向かっているらしい。

外に面している部分がガラス張りになっており、東京の街並みが眼下に広がっていく。

エレベーターのドアが開くと、赤い高級な絨毯が敷き詰められていた。天井には豪華できらびやかなシャンデリア。

一般のフロアではなく、特別仕様なのがうかがえる。

おどおどする私の腕を取り颯爽と歩く修さんは、この場に似つかわしい気品あふれる男性だ。客観的に見ると、やはり素敵だなと思う。

慣れないヒールでたどたどしくしか歩けない私に歩幅を合わせてくれているあたり、彼には余裕があるように感じられた。

「とりあえず、ヘアセットとメイクをしてもらっておいで」

「え?」

「大丈夫だ、専属のスタッフが今以上にとびきり素敵な女性にしてくれるから」

「いや、あの」

エレベーターを降りてすぐの一番手前にあるドアの前で優しく微笑まれ、背中を押される。

戸惑いながら部屋へ入ると、どうやらそこは客室のようだった。ものすごく広くて、重厚で英国を思わせるような高級な家具が置かれている。

「日下部様ですね? お話はうかがっております。さぁ、こちらへどうぞ」

中には何人もの女性スタッフが待機しており、よくわからないまま私はヘアセットとメイクを施された。

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