溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
「こんなところで言うのもなんだけど、昨日柚のご両親にも話した通り、俺は全力できみを幸せにしたいと思ってる」
「なっ」
「柚も同じ気持ちでいてくれるのなら、俺を信じてずっと隣にいてくれないか?」
これはプロポーズ?
まだ付き合ってもいない私たち。お互いのことなんてほとんどなにも知らないのに、どうしてだろう。惹かれていく。本能がこの人だと告げている。
初めてプロポーズされたときは信じられなくて戸惑うばかりだったけれど、この人を手放したくない。
「よ、よろしく、お願いします」
おずおずと頭を下げると、頭上からホッとしたような吐息が聞こえた。
「よかった。これからなにがあっても、俺の隣で笑っていてくれればいい。守ってみせるから」
意味深なその発言に戸惑いながらも頷く。すると私の手を自分の腕に絡めて、奥の扉の前へと歩き出した。
観音開きの扉が開き、中へと入って行く。不安と緊張でいっぱいだったけれど、修さんの腕を強く掴んでいると心なしか少し落ち着いた。
中は二重扉になっていて、数メートル先に扉がもう一枚見えた。どうやらその扉の先に、なにかがあるらしい。