オレを認めて。私に恋して。
「まぁまぁいいじゃん。」

宥めるオレと希乃ちゃんは、
少々笑いを堪えながらだった。

「そんじゃ、帰るか。」

「おー!帰ろう帰ろう!」

新しい服も買えて
元気が有り余っているのだろう。
すごく笑顔だ。

「みんな笑顔いっぱいだね。」

…ん?

「ふっ、はははは。」

「え、何笑ってんの?」

元気なのは、オレもだったみたいだ。

「なぁんにも!」

今にもスキップしそうな気持ちのオレは、
みんなと一緒に駅に向かった。
しばらく歩くとビルの後ろに
隠れてしまいそうな夕日が、
あの桜に光を注いでいた。

和織ちゃんと希乃ちゃんは、
綺麗と言って写真を撮り始めた。
買った服の入った可愛い袋を
肩から下げて。

『羨ましい』。
そう思わずには、いられなかった。
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