オレを認めて。私に恋して。
その1階のある扉の前に立ち止まる。
キーケースから、出したカード。
扉のドアノブにそれをかざしたら、
小さな機械音が周りの静かさを
物語るように響いた。

ここは屋内のトランクルーム。
扉を開けたら壁で区切られたであろう部屋が
6つほどある中のうちの1つのドアノブから
また機械音を鳴らされる。
それがオレの心の鼓動を高鳴らす。

完全に開かれた扉の中の世界。

「いつ見ても…かわいい!」

1つのコンテナの中の”私”の世界。
可愛い服に、綺麗な服、かっこいい服。
ヒール、厚底、シューズ、パンプス。
バッグ、スマホケース、アクセサリー、時計。
メイク用品、マニキュア。
あと、髪が短いからカツラもある。
私の”好き”がつまった小さな箱。
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