オレを認めて。私に恋して。
声は男みたいな低い声を作るようになって、
今ではそれが、普通になった。

「出来たよ。早く食って行く準備しなきゃ、
また時間なくなるよ。」

「あ、ほんとだ。急ぐね。」

美味しそうに、でも急いで食べる母さん。
そんな母さんのことは後にして、
オレは、出かける準備をし始めた。

今日は、学校のクラスの仲良し3人と
遊ぶ約束をしていた。
着た服は、黒いジーパン、
白いブカブカのTシャツ。
いつもしている黒い時計もした。

「母さーん、オレ出かけるから、
鍵よろしくー。」

そう言って、用意したカバンを手に
扉の仕切を超えた。
扉越しに、母さんが行ってらっしゃいと
言ったのが小さく聞こえた。
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