部長は私を甘やかしすぎです!
第十三章

◯雫のアパート

竜二 「あと大きい物は布団と冷蔵庫と折り畳みテーブルと三段BOXだね」

雫  「はい、あと食器です。自転車だと割れちゃいそうで」

竜二 「じゃあ、これで全部だね」

雫  「はい、すみません」

雫のアパートを二度往復して荷物を運ぶ



◯竜二のマンション

雫  「お布団干していいですか?」

竜二 「うん、カバーも洗っちゃいな」

ピンポーン

竜二 「どうぞ、お願いします」

家具が運ばれてきた

あっという間に家具が入れ替えられる

二人は昼食を食べながらこれからのことについて話す

竜二 「雫ちゃんは将来なりたいものあるの?」

雫  「私はですね、とりあえず料理好きなんで今の大学で栄養士の資格はとれてるんですよ。でもその上の管理栄養士をとりたいと思ってます。三月に国家試験があるんですけど、県外でしかとれないので勉強してます」

竜二 「そうか、それで就職活動してないんだね、家からの仕送りは?」

雫  「振り込んでくれてます。家賃と公共料金を払って、あとは生活費はバイト代からですね」

竜二 「ここに住むことになったら家賃も公共料金もいらないけど……」

雫  「えっと、それは駄目です。私も払います」

竜二 「そういうと思った。じゃあ今の家賃分だけもらうよ。公共料金はいいから、あとバイト代は雫ちゃんが使っていいよ。服買ったり、試験受けに行く旅費を貯めてもいいしね。その代わり俺からお願いが一つある」

雫  「はい」

竜二 「バイトを週一日休みにしてもらいたい。何曜日でもいいから……本当はさ毎日ご飯を一緒に食べたいんだけど、バイト好きだって
言ってくれたし雫ちゃんのことを好きでいてくれるお客様もいるからバイトを辞めてとは言わない。週一回雫ちゃんとゆっくりご飯が食べたい」

雫  「なんで、私みたいな学生にそこまでしてくれるんですか?」

竜二 「好きになったから……たまたま今、雫ちゃんが学生ってだけだろ?」

雫  「それは……」

竜二 「俺ね、はっきり言って高校、大学も結構遊んでた。友達とも、女とも、彼女も何人かいたしね。その中でもはっきりお金目当ての人もいた。そういう人はすぐ縁を切ってきたつもりだけど雫ちゃんに会って、俺の財産を預けてもいいって初めて思ったんだよ」

雫  「財産って、重くないですか?」

竜二 「重いよ。でも雫ちゃんは素直でよく人のこと気づいて仕事はいつも笑顔で雫ちゃんのレジの列に並ぶのも二、三日でも楽しみになってた。この子なら一緒になりたいって初めて思ったんだよ。もう二十八歳だよ俺……雫ちゃんが大学卒業したら結婚考えてる。だから同棲したかった」

雫  「私、荷物運んでて、もし別れた時アパート探しからまた始めなきゃって思ってて、だから不安もあったんです」

竜二 「俺が同棲しようと言った時ね、やった~とか家賃浮く~とか雫ちゃんは思わなかったでしょ?さっきも逆に払うっていってくれた。俺の選んだ子は間違いじゃなかったと思ったよ。それが俺の財産を預けていいと思った理由。模様替えも雫ちゃんと生活する為に明るくしたかった。他の人が寝たベッドに寝させたくなかった。最初に寝さしてしまったのはごめん」

雫  「あれは私が酔ったからで竜二さんのせいではありませんよ」


竜二 「食費として給料日に10万渡すよ」

雫  「多いのでは?」

竜二 「足りないだろ?全部入ってるんだよ?クリーニングも酒もお米も水も、重いのは俺も買い物ついて行くからね。足りなかったら言ってね」

雫  「わかりました」

竜二 「お盆の忙しい時期が過ぎたら雫ちゃんの家に挨拶に行きたい。順番が俺いつも逆だね(笑)同棲を認めてもらいたい」

雫  「は……い」

雫は涙が溢れてくる

竜二 「ごめん、俺の勝手な考えだけ押しつけて強引だったかな?よくやっちゃうんだよね」

雫  「いえ、そんな風に思っていてくれてたのが嬉しくて……昨日友達に竜二さんのこと話したんですけど、年も離れてるし遊ばれてるんじゃないの?って……別れて住むとこなくなったらどうするのってカッコいいなら美人な彼女がいるはずって家政婦と思われてるんじゃないのって言われて本当にそうだったらどうしようって」

竜二 「俺がどんどん早く進めていくから不安になったんだね。ごめんね、家帰ると雫ちゃんがいなくて寂しく思うようになっちゃってね我慢できなくなってきたんだ。家政婦なら金払って雇うよ」

雫  「ぐすっ、そうですね、生活のレベルが違いすぎてどうしようって」

竜二 「浪費家だったら俺つきあわないよ。意外?」

雫は頷く

竜二 「今の車は自分で貯めて買ったよ。これからは雫ちゃんとの生活の為に頑張って働くよ」

雫  「無理は駄目です」

竜二 「ついでに言っとく。この間家で仲間が来たとき元カノがいた。大学卒業してお互い忙しくて自然消滅したんだけど俺の中では終わってるんだけど次の日イヤリングを取りに来た」

雫  「あっ」

竜二 「追い返したよ。でも職場に来て仕事させてくれって訪ねて来て、それを後輩に任せた」

雫  「夏祭りのイベントですか?」

竜二 「そう、だからこれからも仕事として、大学の仲間として会うことはあるけどもう俺には雫ちゃんだけだからね。今までの元カノとも同棲まではしたことないから」

雫  「はい、わかりました」

竜二 「必死すぎた?(笑)」

雫  「竜二さんは可愛くて(笑)あっ言っちゃった」

竜二 「俺、可愛いなんて言われたことないよ?」

雫  「私にはそうなんです(笑)明日アパートの解約に行ってきますね。これからお願いします」

雫は頭を下げた

竜二 「こちらこそ、夏祭り一緒に行こうね」

雫  「はい!」

竜二は雫の顎を持って軽いキスをし、もう一度長いキスをした

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