部長は私を甘やかしすぎです!
第十四章

◯本社ビル

山口 「部長、当日の配置見てもらえますか?」

竜二 「ああ」

山口 「抽選のおかげで売上が伸びてるそうです」

竜二 「まあ、そうだろうな(笑)九時に終わったら今年の新入社員に駐車場のゴミ拾いな。飲み物つけてやって、七時の時点で近隣の店舗から食べ物と飲み物をすぐ運べるようにと厨房の人間も確保」

山口 「はい」

竜二の言うことをメモをとる

竜二 「向こうの会社は何か言ってきてるか?」

山口 「真中さんは来ないのかと(笑)」

竜二 「(笑)しつこいなー」

山口 「もしよろしければご関係を」

竜二 「元カノだ」

山口 「さすが部長、あんな綺麗な人が彼女だったとは」

竜二 「まあ、あいつは美人だけど、どうやら俺はかわいい子が好きみたいだ(笑)もう六年も前のことだ。この間サークルの仲間で呑んだら早速利用してきやがった。したたかな女だよ。夕方からプライベートで顔だすからな」

山口 「本当ですか?」

竜二 「ああ、可愛い彼女と行くよ」

山口 「楽しみにしてます」

山口は企画に戻っていく



真木 「部長、お昼に行ってきます」

竜二 「いいよ、あっそうだ」

真木 「はい?」

竜二 「浴衣を買いたい。プレゼントで」

真木 「はい、午後から手配しますね(笑)」



午後三時

真木 「コーヒーをお持ちしました。このお菓子は課長の出張土産だそうです」

竜二 「ありがとう」

真木 「あと、当日のスケジュールを組んでみました」

真木から紙を受けとる

竜二 「エステ?」

真木 「はい、体験したことがないだろうと思いまして、部長の家の近くを選んでみました。部長が待てないと思うので家で待機出来るように」

竜二 「そんなにかかるのか?」

真木 「はい、ここはヘアメイクもしてくれますから終わってからヘアメイクして呉服屋へ浴衣を選びに行かれてそこで着付けしてもらえます」

竜二 「なるほど」


真木 「時間とスケジュール組んでおきました」

竜二 「助かる」

真木 「私も会場でお会いできるのを楽しみにしております」

竜二 「なんか、恥ずかしくなってきた」

コーヒーを飲みながらスケジュールを見る

竜二 「長っ!俺は何して待てばいいんだよ」



◯八月四日竜二のマンション

雫は朝食の支度をしていた

竜二 「おはよ、雫ちゃん」

雫  「あっ起きましたか?」

竜二 「うん、起きたら雫ちゃんいないんだもん、休みなんだからゆっくりすればいいのに」

雫に寄っていって朝のキスをする

竜二 「雫ちゃん、おめでとう」

雫  「ありがとうございます(笑)」

竜二 「モーニング行ってもよかったのに」

雫  「何か目が覚めてしまったので献立考えてたら作ってしまいました」

竜二 「今日何かしたいことある?」

雫  「特には……お祭り楽しみです。雨も大丈夫そうでよかったですね」

竜二 「うん、そうだね」

雫  「きっとビールがよく売れますよ」

竜二 (山口にメールしとくか、雫ちゃんの勘は当たるからな……)


竜二 ‘近くの五店舗くらいにビールをいつもより多く冷やしておくように’

山口 ‘了解です’


竜二 (山口はもう会場行ってるだろうな)

雫  「どこで食べるんですか?」

竜二 「駐車場にパイプ椅子とテーブルを置くってなってたよ。それは向こうが借りて用意するって書いてあった」

雫  「私達は何時頃行くんですか?」

竜二 「七時くらいかなー、遅い?早い?」

雫  「一番ピークくらいですね」

竜二 「とりあえず午前中はゆっくりしようよ、二時から連れて行きたいとこがあるんだ」

雫  「はい、どこですか?」

竜二 「(笑)内緒」

竜二はソファーに横になってテレビを見ていた

竜二 「雫ちゃーん、ゴロゴロしようよ」

雫  「これだけ干しちゃいますね」

普段通り家事をこなしていた

雫  「終わりました」

雫は竜二の側にちょこんと座る

竜二 「雫ちゃんの好きな食べ物は?」

雫  「私ですかー、えっと素麺と」

竜二 「だし美味しかったね。俺も好き!雫ちゃんの手作りのだし」

雫  「母に教わりました。あとはお寿司と炊き込みご飯です」

竜二 「炊き込みご飯はまだ俺は食べたことないよ?」

雫  「竜二さんは基本夜にご飯を食べないじゃないですか」

竜二 「うん」

雫  「だから作ってません」

竜二 「朝御飯は食べるよ?」

雫  「朝はタイマーで炊いてるでしょ」

竜二 「うん」

雫  「タイマーでは駄目なんです。すぐ炊かないと」

竜二 「じゃあ、今日金曜だから明日の昼は?」

雫  「朝買い物行けば大丈夫ですよ。じゃあ明日作りますね」

竜二 「やった!」

雫  (こういうところが可愛いんですよ)

竜二 「昼にお寿司の出前取る?」

雫  「いいんですか?」

竜二 「うん、夜はお店に連れていってあげられないからね。うちの商品だし、何のネタが好き?」

雫  「ウニとイクラと貝、何でも好きです」

竜二 「じゃあ適当に注文するよ」

雫  「はい」


昼にお寿司が配達された


雫  (高そう)

竜二 「食べよ」

雫  「いただきます。ん、美味しいです!こんな美味しいお寿司たべたことないです」

竜二 「一杯食べて」

雫  「竜二さんは何のネタが好きですか?」

竜二 「俺はやっぱりトロかな」

雫  「廻るお寿司とか行きませんよね」

竜二 「全然行くよ。友達とかと、会社の会食以外は普通だからね。納豆巻きとか食べたり」

雫  「ごめんなさい。納豆今まで私出してないですよね」

竜二 「もしかして嫌い?」

雫  「はい、匂いが駄目なんです。食べたいならお茶碗を自分で洗ってください」

竜二 「目の前で食べるのは大丈夫なの?」

雫  「はい、みんな給食で食べてるのは平気でした。洗い物の時が駄目なんです」

竜二 「わかった。じゃあ食べたくなったら自分で買ってくる」

雫  「はい、お願いします(笑)」

お寿司を食べ終えてソファーでまったりとする二人

雫がうとうとし始める

竜二 「寝ちゃだめだよ。出掛けるんだから」

雫  「お腹一杯で……」

竜二 「じゃあ動こう。着替えてくる」

雫  「私はこの格好で大丈夫ですか?」

竜二 「いいよ」

二人は外に出掛けた

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