部長は私を甘やかしすぎです!
第十五章

○エステサロン

竜二 「ここだ」

真木から教えてもらった紙を見る

雫  「ここはエステ?」

竜二 「そうらしい、入ってみよう」

雫  「エステは高いですよ~」

竜二 「予約入れてるから行くよ」

雫の手を引っ張って店の中へ入る

竜二 「すみません、真中です」

店員 「どうぞ、いらっしゃいませ」

竜二 「雫ちゃん、終わる頃に迎えにくるよ」

雫  (う~竜二さん……)

店員 「初めてですか?」

雫  「はい」

店員 「リラックスしてくださいね」


雫は顔とボディとヘアメイクで二時間半かかった

店員 「お疲れ様でした」

雫  「これは私ですか?」

店員 「可愛いですよ。メイクとかわからなかったらまた教えますのでいつでも来店してくださいね」

雫  「ありがとうございます」

雫が受付に行くと竜二が待っていた

雫  「竜二さん!私こんなになっちゃいました」

竜二 「可愛いよ。髪もアップにしてもらってクルクルになってる」

雫  「子供っぽくないですか?」

竜二 「まだ若いんだから(笑)」

二人は店を出て次の場所に向かう



○呉服店

雫  (着物屋さんだ)

竜二 「真中です」

店員 「いらっしゃいませ」

竜二 「雫ちゃんの好きな柄選んでいいよ」

雫  「お祭りに着ていくんですか?」

竜二 「うん」

雫は嬉しそうに浴衣を選び始めた

雫  「どっちがいいですか?二つに絞ったんですが」

竜二 「どっちも可愛いよ、二つ買ってもいいよ」

雫  「いえ、もったいないです」

店員 「好きな帯を選んでみては?」

雫  「そっか」

雫はピンクと水色の浴衣で迷っていた

店員 「この浴衣にはこの色あたりの帯でそちらの浴衣でしたらこちらくらいかと」

雫はブルーの帯を選んだ

着付けをしてもらう

奥から浴衣を着た雫が出てきた

雫  「竜二さん、見て見てー」

クルリと回って見せる

竜二 「可愛いよあとは下駄とバックを選ぶといいよ」

雫  「はい」

竜二は会計を済ませタクシーを呼び二人はマンションに戻る


◯竜二のマンション

雫は帰っても暫く玄関にある姿見の鏡を見ていた

竜二 (浴衣気に入ったみたいでよかった(笑)まだ見てる。可愛いな)

やっとリビングに入ってきた

雫  「竜二さんバックに財布入れときましょうか?ポケットは危ないですよ。人が多いところは……あと一応社員証」

竜二 「うん、お願い。雫ちゃんの財布は今日は入れなくていいよ」

雫  「ありがとうございます」

竜二 「早いけど行ってみる?」

雫  「はい!」

二人はタクシーで夏祭りの開かれる店舗へ向かった

タクシーの中で携帯が鳴る

竜二が雫に携帯を見せると山口と出ていた

二人は顔を見合わせる

竜二 「もしもし?」

山口 「あの、すごい人で……」

竜二 「いいことだろ?」

山口 「それはそうなんですが……」

竜二 「今タクシーで向かってる、あと二十分くらいしたら着くから」

山口 「はい」

雫  「怖いですね、竜二さん」

竜二 「人が集まるのは想定内だが……追い付かないと苦情になるからな」

雫  「電話かかってきたってことは、追い付かないと判断したんでしょうね」

竜二 「はあ、だな……俺にかけてくるってことは……」



◯夏祭り会場

竜二 「わっ、凄い人だな」

山口に電話する

竜二 「着いた、どこにいる?」

山口 「店舗の入り口です」

竜二 「雫ちゃん、ゆっくりね」

手を繋いで引っ張っていく

山口は雫に頭を下げる

山口 「始まる前から凄い人で開始を早めたんですけどビールが凄くて」

竜二 「それは朝連絡しただろ」

山口 「はい、でも九時まではもたないかもしれなくて」

竜二 「他の店舗も連絡入れて向こうから運ばせろ、俺が電話する。とりあえず先に近くの店舗のを早く持って来させろ」

山口 「はい、あと子供の遊ぶものが」

竜二 「美咲は?」

山口 「電話してます」

雫  「竜二さん、社員証かけますか?」

雫はバックから取り出した

竜二 「ごめんね、歩くの気をつけて」

雫  「大丈夫です」

竜二 「もしもし?厨房の手配していたのを誰か持ってきてください足りなくなってます」

竜二 「もしもし?飲み物を大至急会場へ、誰か運んでもらえますか?間に合わないんです」

竜二 「景品を増やせ、ティッシュとラップとお菓子を足して」

竜二 (一時間はこの店ので持つはず……その間に他の店舗のが間に合うか……夕方のラッシュ時間だ)

雫  「竜二さん」

竜二 「あっ、ごめん、何?」

雫  「座るとこが足りてないです」

竜二は美咲の会社の車に走って向かう

竜二 「美咲」

美咲 「あっ、竜二」

竜二 「お前、椅子とテーブルが全然足りてないぞ」

美咲 「こんなに多いとは思わなくて、お客は回転するから」

竜二 「ちゃんと想定しろ!多かったら次の対処を考えろ」

美咲 「今子供の遊ぶものが無くなってきたからそっちの手配をしてたの。今スタッフに買いに行かせてる」

竜二 「子供に立って食わす気か?乳幼児もいるんだぞ!」

雫  「竜二さーん」

竜二 「危ないから走るな」

雫  「ハア、あのね、社員の人の中でね農家さんとか畑してる人とかいないか聞いてみて。コンテナがあればひっくり返したら椅子とテーブルになる」

竜二 「わかった。美咲、こっちでする」

竜二は店舗の中に入ってスタッフに聞いていく

店員 「あっうち祖父のところにあります。聞いて見ます」

店員 「私も聞いてみます」

店員 「トラック置いて帰っていいですかって、来たら飲みたいそうです」

竜二 「構わない。助かる。地下駐車場のほうに来てもらってくれ」

竜二は山口に電話する

竜二 「山口、地下駐車場にコンテナが届く、それを椅子とテーブルにするから地下に行ってくれ」

山口 「はい!」

竜二 「店長、店のレジを二つ塞いで下さい。景品とかをその塞いだレジで通してもらって下さい」

店長 「わかりました。では景品の手配をします」

雫は店から枝豆と紙コップを持ってレジに行く

雫  (あっ、別がいいよね)

店長が塞がれたレジでラップを通していた

雫  「このレジ、景品用ですか?」

店長 「はい、別にしてます」

雫  「これもお願いします。売ります」

店長 「はい」

レジを通して雫に渡す

店長 (社員証してたよな)


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