部長は私を甘やかしすぎです!
第十八章
◯竜二のマンション
鍵を開ける音がした
雫は玄関に走っていき竜二に飛び付いた
竜二 「うわっ、びっくりした!」
雫 「ごめんなさい、朝……」
竜二 「全然構わないよ。何?泣いてるの?」
竜二は飛び付いてきた雫をゆっくり床におろす
竜二 「昨日は疲れてたし、身体も無理させたからゆっくり休んでていいんだよ?買い物まだならこれから行く?」
雫 「買い物は行ってきました。指輪を落としたらどうしようと思ってドキドキしながら行きました」
竜二 「緩いかな?今度なおしに行こうか」
雫は首を横にふった
雫 「起きたら竜二さんいないから昨日のことは夢かと思って悲しくなったんです。でも指輪あったから現実だって嬉しくなって」
竜二 「忙しい感情だなー(笑)」
二人は寝室に向かう
竜二はスーツを脱ぎ、雫の服も脱がしていく
雫 「明るいのに恥ずかしい」
竜二 「雫ちゃんがよく見える」
雫 「やっ、見ないで下さい」
雫は自分の顔を手で隠した
竜二 「手のけないとキスできないよ、欲しくない?」
雫は手をのけた
竜二は雫にキスをし、そのまま抱いていく
抱き合った後、雫は竜二の身体にべったりひっつく
竜二 「どうした?なんか急に甘えたになったな」
雫 「わかりません。私、どうしたんでしょう、離れたくないです」
竜二 「俺としては嬉しいし、俺は結構甘えん坊だと自分で思うところはあるけど」
雫 「竜二さんが甘えん坊というのは最近わかってきました」
竜二 「雫ちゃんの前だけだよ……友達の前でもカッコばかりつけてた。仕事も必死だったし、早く認められないといけないし、この年で部長なんて昇進する度に煙たがる人もたくさんいたし、悪口も耳に入ってきた。同時にお世辞いっぱいで近付いてくる人も……やっと自分を見せれる相手を見つけたんだ」
雫にキスをする
雫 「そういう悪くいう人はちゃんと竜二さんのことを見てない人なんです。ちゃんと見てる人はついてきてくれます。山口さんだって真木さんだって、竜二さんの為に動いてくれてるじゃないですか。他にも本社にも店舗にも沢山いますよ。私も含みます。竜二さんについていきます(笑)」
雫をぎゅっと抱き締める
雫 「私もずっと甘えたかったのかも……弟出来て今まで私に両親はかまってくれてたのに急に弟中心の生活になって、母も調子が悪くて私がしっかりしなきゃってずっと思ってきました。昨日抱いてくれて竜二さんに触れることができて私も甘えていいんだって解放された感じです。生活自体は最初から甘えてますけど(笑)」
竜二 「もっと甘えていいよ。そして俺はもっと甘やかせたい(笑)」
雫 「はい」
竜二にぎゅっとまた抱きつく
竜二のお腹がぐぅっとなる
雫 「あっ、ご飯のスイッチ」
雫はベッドを飛びだしてすぐ戻ってきてベッドにダイブする
雫 「あと一時間待って下さい(笑)」
竜二にまたひっつく
竜二 「びっくりするだろ(笑)一時間か、じゃあもっとイチャイチャしようか?チュッ」
雫 「んっ」
二人はダイニングで昼食をとる
竜二 「旨い(笑)」
雫 「よかった。いつも誉めてくれるから作りがいがあります」
竜二 「だって、旨いんだもん。あっそうだお盆に友達と集まる」
雫 「この間のメンバーですか?」
竜二 「そう、前に美咲からメールきてたけど無視してた(笑)イベントのことだと勝手に思ってたし、忍から連絡きてさ泊めてくれっていうから聞いたら美咲から連絡きてるはずって言われた」
雫 「駄目ですよ。勝手に判断したらー」
竜二 「明日来客用の布団を一組買いにいこう」
雫 「私自分の部屋で寝ますよ」
竜二 「もう、俺が無理。雫ちゃんとひっついて寝たい。忍と一つのベッドでよく寝てなと思った(笑)」
雫 「ここに皆さん来るんですか?」
竜二 「多分くるはず」
雫 「私いてもいいんでしょうか?」
竜二 「いいよ、俺婚約したって言うつもりだし」
雫 「あっ、ありがとうございます」
竜二 「バイトは休まなくていいよ。忙しい時期だからね」
雫 「はい、私月曜日に休むことにします。月曜日が祭日の時は火曜日に」
竜二 「わかった……ねえ?」
雫 「はい?」
竜二 「前から思ってたんだけど敬語使わなくてよくない?」
雫 「なんか、癖で(笑)」
竜二 「俺もなんかさ、雫ちゃんの話し方が可愛くてついつい気にしながらなんとなくきてたけど普通に話して」
雫 「はい、あっうん!」
キュン
竜二 「やばい、もっと可愛いい」
雫 「恥ずかしい」
竜二 「そんな喋り方ベッドでされたらヤバイかも」
雫 「じゃあしません!」
竜二 「ごめんなさい」
食事を終え雫は洗い物をする
竜二 「雫ちゃん、俺少し寝る」
雫 「はい、じゃあ洗濯物とりこんでおきます。起こしちゃいけないから」
竜二 「バイトの時間になったら行っていいから」
雫 「うん、わかった」
雫は起こさずにそっとバイトに出掛けた
次の日二人は買い物へ
◯ショッピングモール
食器を買う二人
竜二 「何がいる?」
雫 「コップとか?えー何人来るの?」
竜二 「わかんないけど、缶呑みでいいよ」
雫 「安いのでいいからタンブラー欲しい、あと大きい鍋とお皿」
竜二 「いいよ、雫ちゃんが選んで」
雫 「いいの?」
嬉しそうに笑った
竜二 「雫ちゃん、一度車に荷物置いてくるね」
雫 「100円ショップで見てていい?」
竜二 「いいよ(笑)」
竜二 (高いもの買わないんだもんなー)
◯100円ショップ
雫 (小さい取り皿はここで充分、何人かな、とりあえず10枚と割り箸と一応紙皿紙コップ……あとノートも……)
雫はウロウロする
竜二が合流した
竜二 「持つよ」
雫 「あっ、ありがとう」
二人はレジに向かう
雫 「私のモノあるからお金出すよ」
竜二 「いい、出さなくて」
雫 「でも、ノートとか買ったし」
竜二 「二人の時は俺が全部だすから……」
雫 「ありがとう」
店を出た
竜二 「他に欲しいものは?」
雫 「もう、大丈夫」
竜二 「じゃあ、あと一軒付き合って」
ショッピングモールに入っているあるブランド店に入っていく
店員 「いらっしゃいませ、真中様」
竜二 「こんにちは、彼女にワンピースを買いたい」
雫 「えっ?」
竜二 「明日着る服」
雫 「明日……あっ、服のことなんて何も考えてなかった」
竜二 「カジュアルでいいから(笑)」
店員 「ではこちらへ」
二人は奥へ入っていった
暫くして雫がワンピースを着てきた
竜二 「雫ちゃんはブルーが似合うね、いいんじゃない!」
雫 「いいんですか?こんな高いもの」
竜二 「いいよ、あと靴もね」
店員 「はい」
竜二は支払いを済まし、商品を受け取った
雫 「ありがとうございます。私竜二さんに買ってもらってばっかり……」
竜二 「ん?俺は雫ちゃんにご飯作ってもらってばっかりだよ(笑)お互い様」
竜二は雫の肩を抱いて店を出た