部長は私を甘やかしすぎです!
第二十三章
雫は席を立って素麺を茹で始める
竜二 「雫ちゃん、素麺?」
雫 「うん、空いてるお皿下げてきて」
竜二 「わかった」
紀之 「竜二が動いてる」
竜二 「うるせーよ(笑)」
俊 「一人の女でこれ程変わるかね?」
雫はみんなに素麺のダシを配る
広樹 「おっ、素麺?」
雫 「はい、竜二さんのリクエストです」
みんなで素麺をすする
紀之 「うめえ」
綾 「うん、美味しい。手作りのダシ」
竜二 「だろ?」
みんなはお腹いっぱいになり横になる者もいた
美咲 「もう、食べられないし呑めないお腹はち切れそう」
広樹 「店より食った気がする」
竜二 「確かに(笑)」
貴志 「明日仕事だから俺そろそろ帰るわ」
竜二 「貴志(たかし)はそうだな、いつも悪いな、土曜日がどうしても多くて」
貴志 「いや、大丈夫。それこそ、店に一番に出なくてよくなってきたから」
雫 「お店やってるんですか?」
竜二 「貴志は美容師なんだよ」
雫 「へえ」
貴志 「雫ちゃんの髪もカットしてあげるよ。ご指名お願いします」
名刺を渡す
雫 「えっ、ここって有名なお店……高いところですね?」
貴志 「竜二と一緒に来るといいよ、竜二に支払いしてもらうといい(笑)」
竜二 「いいよ」
綾 「貴志もだいぶ指名増えてきたよね、予約が取りにくくなってきたし」
貴志 「おかげさまでな(笑)綾にはいつも指名してもらってるから」
綾 「やっぱりショートカットは月一くらいでいかなきゃね、襟足が気になっちゃって」
竜二 「俺とほぼ同じ頻度じゃねーかよ」
雫 「竜二さん、いつカットに行ってるのかわかんない」
竜二 「貴志の一番最後が空いてる時に行って食事して帰る」
雫 「なるほど~」
竜二 「今度行こうね、貴志の店」
貴志 「ヘッドスパしてあげるよ。気持ちいいよ」
綾 「あれは気持ちいいわよ、雫ちゃんお勧めするわ」
雫 「贅沢ですー」
竜二 「あっ広樹、起きろ。お前寝たら運べないんだから」
広樹は大きな背伸びをした
広樹 「あー、眠い。そろそろ帰るか」
竜二 「電車まだあるか?タクシー呼ぼうか?」
貴志 「ギリギリいけそう。出るか」
皆は重い腰を上げて帰っていった
雫は洗い物を始める
竜二 「疲れただろ?明日でいいよ」
雫 「すぐ終わるから大丈夫、それより忍さんのお布団敷いてあげて」
竜二 「わかった」
竜二はリビングに布団を運んでくる
竜二 「忍、ここで寝てくれ」
忍 「うん、ありがとう。遠慮せずにヤっていいから(笑)」
竜二 「(笑)バーカ、しねえよ」
○寝室
竜二 「今日ありがとね。バイトもあったのに疲れたでしょ」
雫 「ううん、十人はびっくりしたけど」
竜二 「この間六人だったからな(笑)十一月はまたよろしくね」
雫 「うん、大きい鍋が欲しい」
竜二 「うん、買おう(笑)今日はみんなに紹介できて良かった」
雫 「うん、私もありがとう」
二人は抱き合って眠りについた
朝、竜二が先に起きシャワーに行く
リビングに戻ると忍が座ってぼーっとしていた
竜二 「起きたか?」
忍 「ああ、喉乾いた。水もらう」
竜二はカーテンと窓を開けて換気をする
忍がシャワーから出てきた
忍 「この間言ってたように部屋の印象変わったな」
竜二 「ああ、二人で選びにいった」
忍 「お前が婚約ねー(笑)」
竜二 「何?意外?」
忍 「まあ、俺は結構お前と対等な女を選ぶと思ってた。まあはっきり言うと美咲みたいなタイプ」
竜二 「美咲と付き合ってる時は確かに結婚まで行くかもと思うこともなくはなかった……浮気してたのも事実だけどバレなきゃいいと思ってたし、しっかりした女も嫌いではない、それなりに多分付き合えると思うんだけど……」
忍 「次期社長としたらどうなんだろうな。社交性も必要だし、内助の功とどっちがいいのか……雫ちゃんは派手なほうじゃないだろ?」
竜二 「派手じゃないけどとにかく可愛い(笑)俺は癒しをとったんだよ。お客さんともかなり話せるから意外と社交的なのかもしれない」
忍 「癒し系か……」
竜二 「忍は好きな女とか気になる子はいないのか?」
忍 「そうだなー、昨日の竜二見てるとそろそろ俺もって思うな。最近夜のレッスンに来始めた子がいるんだよ」
竜二 「おっ、積極的に行くのか?」
忍 「いや、まだ行けないな(笑)」
竜二 「少しずつでいいから話かけろよな」
忍 「お前みたいにその日に誘うとかは無理だから(笑)」
竜二 「確かに(笑)店にいけば会えるはずなのに仕事にかこつけてすぐ誘ってしまった」
雫 「おはようございます」
二人 「おはよう」
雫 「あの……忍さん目を少しつむってもらえると……」
竜二 「忍、目をつむれ」
雫は自分の部屋に走っていった
忍 「俺、今日服着てるけど……」
竜二 「(笑)パジャマ姿が恥ずかしいらしい」
忍 「成る程(笑)」
雫は服に着替えて朝食の支度を始める
三人は朝食を終える
忍 「じゃあ、俺帰るな」
竜二 「ああ、仕事が早く終わる時はそっちに練習に行くよ」
忍 「おう、連絡してくれ」
忍は帰っていった
雫 「昨日後半セーブしてた?」
竜二 「少しな、何でわかった?」
雫 「なんとなく?今日仕事行くの?」
竜二 「雫ちゃんにはかなわないなぁ、昨日途中で電話かかってきてたんだよ。でも雫ちゃん午後からバイトいくからその間に終わるし……と思ってさ。仕事行くって言うと朝ゆっくりしたいのに雫ちゃんは色々準備してくれるからさ、今日は片付けもしてくれるだろうしやることあるから雫ちゃんが出てから仕事行こうと思って」
雫 「気をつかわないで下さい!だっていくら私に隠したって洗濯機のとこいけばシャツ着たのわかるでしょ?」
竜二 「そうだね(笑)確かにだ」
雫をお姫様抱っこして寝室に連れていく
雫 「えっと、起きたばっかだよ?」
竜二 「ん?だね(笑)」
雫にキスをしていく
雫 「んっ、こういうとこ、強引……やっ明るいの恥ずかしいって言ってるのに」
竜二 「可愛いよ、雫ちゃん全部俺に見せて」
雫 「だから恥ずかしいってー」
竜二 「でも、だいぶ慣れたよね。雫ちゃんの反応可愛くてつい……チュッ」
雫 「もう~でも、竜二さんの不意打ち好きかもです……」
竜二 「俺、酒くさくない?」
雫 「大丈夫、ちゃんとセーブしてた……っ」
竜二の身体をぎゅっと握りしめる
雫 「あっ、竜二さんのそういうとこ尊敬するよ……」
雫はベッドの上で激しく竜二に抱かれる
竜二の仕事用の電話が鳴った
雫 「出て……ください……」
竜二は雫の頭をなでながら電話に出る
電話をしながら雫の身体をいじめていく
雫 (んっ……声……)
竜二は電話を切りベッドに放り投げる
竜二 「ごめんね雫ちゃんを満足させてあげれない俺だけ…………ごめん」
竜二は雫を後ろから抱いた……
雫 「っん……」
竜二はシャワーを浴びスーツを着る
竜二 「雫ちゃん、もうすぐワックスが無くなる」
雫 「あっ、買ってます」
竜二 「さすが(笑)ありがとう。じゃあ先に出るね。バタバタしてごめん」
まだベッドで動けないでいる雫にチュッと軽いキスをして部屋から出て行った
雫 「いってらっしゃい」
雫は竜二が出てからベッドからゆっくり出る
雫 (最近休日出勤減ってたのにな、お盆シーズンだからかな。お弁当入れて私も支度しなきゃ)