部長は私を甘やかしすぎです!
第二十六章
○十月のある日雫はバイトが終わり自転車で帰っていた
雫は自転車を漕いでいると猫が飛び出してきてびっくりしてこけた
雫 (痛ったー)
歩行者の人が自転車をおこしてくれた
雫 「ありがとうございます」
自転車を押して歩いてマンションに向かう
雫 (うっ、足が痛いよ~ぐすっ)
雫は携帯を出して竜二に電話した
雫 (走りに行ってるかな?)
竜二 「もしもし?」
雫 「り、竜二さん……」
竜二 「どうしたの?」
雫 「今どこ?」
竜二 「家だよ」
雫 「ふぇ、えーん……」
竜二 「ど、どうした?」
雫 「ヒック……自転車でこけたの、もう歩けない迎えにきて……ヒック」
竜二 「わかった。どこ?」
雫 「コンビニの前……」
十分ほど待つと竜二が車でやって来た
竜二 「大丈夫?」
雫 「痛いの……こんな痛いの初めてなの」
竜二 雫を抱き上げて車に乗せる
竜二 「ちょっと自転車を明日まで置かせてもらうように頼んでくるね」
雫 「うん」
雫はずっと泣いていた
○竜二のマンション
雫をお姫様抱っこして部屋へ入る
雫 「ごめんなさい」
竜二 「いや、飲む前でよかったよ」
ソファーに雫を座らせタオルを濡らしてくる
竜二 「手を拭いて」
雫 「ありがとう」
竜二 「靴下脱がすよ」
雫の足は腫れて色が変わっていた
竜二 「ひどいな、明日病院行こう。授業は休むんだよ。仕事もね」
雫 「……うん」
竜二は雫の着替えを持ってきて着替えさせた
湿布を貼り寝室に運ぶ
竜二 「大人しく寝てて」
竜二は風呂に入り寝る支度をして寝室へ
竜二 「どうしても痛みがひどいなら救急病院連れていくから言ってよ」
雫 「うん、ぎゅーってしてて」
朝、竜二は目が覚めたら雫がじーっと見ていた
竜二 「ん?寝れなかった?」
雫を抱き締める
雫 「ウトウトはしたよ。竜二さんの寝顔可愛くて好き。じっと見てた(笑)」
竜二 「もう、恥ずかしいよ」
竜二は身体を、起こした
竜二 「パンでも買ってくるよ」
雫 「トイレ行きたい。手貸して」
竜二は雫をトイレへ連れていき、着替えを渡す
竜二 「大人しく待ってて」
雫は自分の足をじーっとみていた
雫 「ずーっと痛い、骨折かな?ハァ」
二人はパンを食べて病院に行く
○病院
竜二 「電話してくるから……」
外に出て真木につないでもらう
真木 「部長、来てらっしゃらないので今お電話しようと……」
竜二 「彼女が昨夜自転車でこけて今病院に連れてきてる」
真木 「まあ」
竜二 「今日の店舗まわりキャンセルしておいてくれ、明日は会議あるから出る」
真木 「わかりました」
雫は診察を受ける
医者 「骨折してますね」
雫 「やっぱり骨折……」
医者 「処置しますね」
雫は足首をがっちり固定され片方だけ松葉づえをついた
医者 「明日はまだ動かないように」
雫 「はい」
竜二の車でマンションに帰る
○竜二のマンション
雫 「ありがとう。竜二さん仕事行ってもいいよ」
竜二 「今日は休んだよ。雫ちゃん歩くの大変だしね、明日は会議があるから仕事行かなきゃだけど」
雫 「ごめんなさい、迷惑かけて」
竜二 「一人だったら大変だよ。やっぱり側に誰かいるっていいよね(笑)甘えていいからね」
雫のおでこにチュッとキスをした
雫 「ありがとう……あのね、高い椅子が欲しい。足が伸ばせるやつお店のカウンターみたいなの」
竜二 「早速動くこと考えてるし(笑)」
雫 「だって食べることはしなきゃ」
竜二 「今日は動かないで我慢して……何か買ってくるから」
雫 「……はい」
雫はシュンとなる
夕方竜二は買い物に出かけた
竜二 「もしもし、母さん?」
母 「竜二、雫がヨガしばらく休むって連絡きたけど、何があったの?別れたとか?」
竜二 「いや、飛びすぎでしょ。俺らこれからなのにさ……昨日雫ちゃん自転車で転げてさ、ちょっとひどい転げ方したみたいで骨折したんだよ」
母 「骨折ー!」
竜二 「うん、でさ、今日は仕事休んだからついててあげれるんだけど明日会議あって休めないんだよね。雫ちゃんのことだから動くと思うんだ。それで三日間くらい午前中だけ土居さんをよこしてくれないかな」
母 「いいわよ、そういうことなら」
竜二 「鍵はあるだろ?エントランスの暗証番号だけ0804に変えたから伝えといて」
母 「わかった」
竜二は家に戻った
雫 「おかえり」
竜二 「ただいま、母さんと話したよ」
雫 「うん、ヨガ入れてたから」
竜二 「あしたから三日間ね、土居さんていう人が午前中だけきてくれるから買い物とか頼んで料理も作ってもらって」
雫 「土居さん……」
竜二 「うん、鍵も持ってるから玄関まで出なくていいからね。あと大学も送り迎えするから時間割後で教えて。バイトにも送るから」
雫 「竜二さん忙しいから大丈夫だよ。バスがあるし」
竜二 「外回りしてるときはどうにでもなるから大丈夫。無理な時は連絡するからタクシー手配するから、無理して動かないで早く治そうね」
雫 「ありがとう」
竜二 「ご飯食べたら一緒にお風呂入ろう」
雫 「一緒に?恥ずかしいよ」
竜二 「ちゃんと洗ってあげるから」
竜二は雫の背中を触っていく
雫 「もー!自分で洗うから~竜二さん意地悪ぅ」
竜二 「一緒にお風呂は入ったことないもんね、初体験だ(笑)怪我が治ったら温泉でも行きたいね」
雫 「温泉かーでも竜二さんあまり熱いお風呂は苦手でしょ?」
竜二 「うん、長い間つかれない(笑)」
雫は竜二と初めてお風呂に入り髪の毛も洗ってもらった
竜二 「暑い……」
雫 「だから言ったのに(笑)」
竜二 「女の子は髪の毛大変だね」
雫 「長いとね~切ろうかな?」
竜二 「いや、長いほうが好き(笑)今度貴志の店に連れていくよ」
雫 「もったいないよー」
竜二 「足治ったら、連れていってあげる」
雫 「贅沢だー(笑)春からいいことばっかりで私、浮かれてたのかな~」
竜二 「それと怪我は関係ないよ。俺だって雫ちゃんと会ってからいいことばっかだよ。色々なところに一緒に行きたいね」
雫 「わたしがバイトしてるから行けないよね?」
竜二 「そうだけど、今雫ちゃんは勉強も大事な時期だからね。結婚したらゆっくり出来るよ。俺も雫ちゃんと生活しはじめて落ち着いてきたしね」
雫 「それまでは遊んでたってこと?」
竜二 「えっ……」
竜二は考え込んで黙ってしまった
竜二 「ここ何年かはそこまで遊んでる自覚はないんだけどな」
雫 「偉そうにふんぞり返ってたってお友達言ってたもんね」
竜二 「雫ちゃんいいって言ったじゃん」
雫 「いいですよ(笑)ただそこに女の人もいたでしょ?」
竜二 「まあ、いたかな……でも……」
雫 「わかってます。私を選んでくれて嬉しいです!竜二さん、ありがとう」
竜二 「雫ちゃん、俺もだよ。雫ちゃんは俺の風邪の時看病してくれた。今度は俺が雫ちゃんを助ける番だよ」
雫 「私も甘えることを学習したのでじゃあお言葉に甘えます。一ヶ月お願いします」
雫は頭を下げた
竜二 「寝ようか(笑)お姫様、運びます」
雫 「ありがとう」
抱っこされた雫は竜二の頬にキスをした