部長は私を甘やかしすぎです!
第三十章
三沢店に到着した
雫 「ありがとうございました」
兄 「月曜日に食事に行こうね」
雫 「あっ、はい」
○三沢店
竜二は六時に三沢店に到着した
店長 「お疲れ様です」
竜二 「お疲れ様です。夜来るのは久しぶりなのですが客層はどうですか?」
店長 「そうですね、あまり変わらないですね。この場所は住宅街ですからね」
竜二 「三十分ほど店内を回らせて下さい」
店長 「はい」
竜二 「あっ、澤田さんはどうですか?」
店長 「今は休憩中です。最初よりよく動くようにはなってきましたね。時々まだお酒の匂いがする時もありますが減ってはきてます」
竜二はスタッフルームをノックして入った
竜二 「お疲れ様です」
澤田 「あっ、お疲れ様です」
澤田は立ち上がった
竜二 「あっ、どうぞ食べてください。どうですか?三沢店は」
澤田 「あっ、はい。みんないい人ばかりでよくしてもらってます」
竜二 「少し痩せたみたいですね」
澤田 「こっちはよく動くので……ちゃんと食べてます」
竜二 「そうですか、食事できてるなら良かったです。食事中失礼しました」
竜二は部屋から出た
竜二 (これから慣れてまたどうなるかだな)
店舗を回る
竜二 (相変わらず雫ちゃんの列は多いな~)
竜二はお惣菜コーナーを見て回る
竜二 (あと二時間ほどか、弁当が足りないかな)
厨房へ入っていく
竜二 「お疲れ様です」
店員 「お疲れ様です」
竜二 「悪いんですが唐揚げ弁当だけ七個作ってくれませんか。仕事帰りの人が来たら弁当類が足りないので」
店員 「あと三十分したら値下げしますが出来立てはどうしますか?」
竜二 「四割にしてください」
店員 「はい」
竜二 (買う弁当なくてコンビニに行かれるとな~)
竜二は店長室に向かった
竜二 「弁当を追加しました。試しで……これからサラリーマンが増えるから」
店長 「わかりました」
竜二 「今日さばけるようなら追加してみて下さい」
店長 「一人用のサラダとか出してみたいんですが、ポテトサラダではなくキャベツとか」
竜二 「少し小さめで弁当の横に置いてたら一緒に買いそうですね。弁当の中にも少しありますがもう少し欲しいって感じですよね」
店長 「はい」
竜二 「いいですよ。好評なら他の店舗に勧めるのでまたメールでも入れておいて下さい」
店長 「はい。部長、若宮さんがもうすぐ休憩に入りますが」
店長室にあるモニターを見る
竜二 「相変わらずレジには人がいますね」
店長 「人がバラけます(笑)」
竜二 「そうか(笑)澤田さんに入ってもらいましょうか?」
店長 「試してみますか?」
竜二 「お願いします」
店長はスタッフルームへ行きすぐに戻ってきた
澤田が雫のレジへ行く
澤田 「変わります」
雫 「あっ、はい」
子供 「若ちゃん、終わり?」
雫 「三十分休憩なの。でも交代してくれるおじさんはベテランだから打つの早いから待てるかな?」
子供 「本当?待つよ僕。ねっママ」
ママ 「そうね」
子供 「うわぁおじさん若ちゃんの言った通り打つの早いね」
澤田 「ありがとう、一応年数は長いからね。おじさんに変わってごめんね」
子供 「ううん、僕待てるから。若ちゃん打つの早いからみんな並ぶんだよ。それにお話してくれるし」
澤田 「そうかー、おじさんもじゃあ今度来たら僕のこと覚えておくよ。また来てね」
子供 「うん!」
竜二はスタッフルームに入っていった
竜二 「お疲れ」
雫 「あっ、お疲れ様です」
竜二 「り、あっ、部長の仕業ですか?澤田さんに交代させたの」
竜二 「よく、わかったね。雫ちゃんが休憩に入ると列がバラけるって店長が言うから見てみたかったんだけど……何か子供に言っただろ?」
雫 「はい、おじさんベテランだから打つの早いから待ってって(笑)」
竜二 「それで列がバラけなかったのか(笑)」
竜二は食事をしている雫の頭を優しくなでた
竜二 「雫ちゃんは誰にでも優しいな」
雫は真っ赤になってお弁当の唐揚げを差し出す
雫 「食べる?」
竜二はパクっと口に頬張った
雫 「もう帰る?」
竜二 「一度会社に戻ってから帰って迎えに来るからね。兄貴はちゃんと来てた?」
雫 「うん、話やすかった」
竜二 「雫ちゃんは誰とでも話せるからな」
雫 「そっかな……昔は話せなかったよ。バイト始めてからだよ」
竜二 「へぇ、まだまだ雫ちゃんのこと知れるね。あっ、行かなきゃ」
雫 「気をつけてね」
竜二 「うん、後で……」
店長室に行く
竜二 「おじさんはベテランだから打つの早いから待っててと言ったそうです」
店長 「(笑)そうでしたか」
二人でモニターを見る
竜二 「暫く短い時間でいいからレジを……笑顔が必要ですね」
店長 「そうですね、澤田さんが笑ってるの始めて見ました」
竜二 「では、私はこれで失礼します」
店長 「はい、お疲れ様でした」
竜二は雫を迎えに行きマンションに帰ってくる
○竜二のマンション
雫 「疲れたでしょ」
竜二 「大丈夫」
雫 「お風呂すぐ溜めるね」
竜二はお風呂が湧くと湯船につかりタオルを目の上に置いた
雫 (竜二さん出てくるの遅い……長風呂の人じゃないのに)
浴室を覗きにいく
雫 「竜二さん」
竜二 「……」
ドアを開けた
雫 「竜二さん、大丈夫?」
竜二 「えっ、どうした?」
竜二はタオルを取った
雫 「こっちがどうした?だよ。返事ないし出てこないから心配したよ」
竜二 「悪い」
竜二は立ち上がった
雫 「キャッ、もう急に立たないで」
雫は恥ずかしがって部屋に戻っていった
竜二 「今さら?(笑)可愛いなぁ」
竜二は頭にタオルをかぶり出てきた
雫 「もう、竜二さんたら」
竜二 「ごめん、今日回った店舗のこと考えてた」
雫 「考えるのはお風呂では禁止です!竜二さんのぼせるから」
雫は足にナイロンを巻いてお風呂の準備をする
竜二 「一緒に入ろうか?」
雫 「大丈夫です。ビール呑んでて下さい」
竜二 「はーい」
雫は浴室に入っていった
竜二 (最初の三日間しか一緒に入らせてもらえなかったもんな(笑)何でも自分でしちゃうし……照れるとこも可愛いけど俺我慢してんのわかってんのかねー)
竜二はビールを一気に飲み干した
雫 「あの、竜二さん」
顔だけ出してきた雫
竜二 「ん?」
雫 「着替え持って入るの忘れたからちょっと向こうむいてて」
竜二はバスタオル姿の雫を抱き上げた
竜二 「バスタオル巻いてるんだから大丈夫でしょ、家には二人しかいないんだから恥ずかしがらなくていいのに」
ソファーに運んで雫にキスをした
竜二 「病院いついく?」
雫 「えっと水曜日の午前中に予約入れた」
竜二 「ついていく」
雫 「仕事あるからいいよ」
竜二 「俺が聞かなかったら一人で行くつもりだったんだろ?土曜日もあるのにさ」
雫 「土曜日は混んでるかなって……」
竜二 「自転車も買わなきゃだろ?」
雫 「あっ、そうだ」
竜二 「まだまだ甘えるのが下手だね」
竜二は雫の唇にキスして首筋、鎖骨へキスしていく
竜二 「ギプス取れるまで我慢するからね」
雫 「我慢してたの?」
竜二 「うん、当然。一度しちゃうとね(笑)」
竜二は雫の頬に軽くキスをした
竜二 「ごめん、風邪引くね。服着ておいで」
雫 「はい」
雫 (竜二さん、優しい)