部長は私を甘やかしすぎです!
第八章

◯サクラスーパー本社

夕方、山口が尋ねてくる

山口 「昨日はご馳走さまでした。見ていただけますか?」

竜二 「ああ、呑みすぎたな。大丈夫か?」

山口 「なんとか(笑)」

竜二は書類に目を通す

竜二 「よく出来てる。ん?お前企画者のところ……」

山口 「はい、部長と共同企画にしました。社内だけですけど、他の社員も部長の名前があると協力してくれるかなと(笑)進藤さんのほうには入れてません」

竜二 「助かる」

山口 「僕に会わしたのは訳ありだと思いまして」

竜二 「まあ、あまり関わりたくないかな」

山口 「では提出してきます」

山口が出ていった


竜二はパソコンを見ていた

竜二 (ん?この店舗売上げが急に落ちてる)

すぐ店舗に電話を入れる

竜二 「もしもし、総務の真中です。お疲れ様です。店長は?休み?今からそちらに向かいます」

部屋を出て真木に行き先を告げる

竜二 「ちょっと舟木店に行ってくる」

真木 「はい、いってらっしゃいませ」


◯サクラスーパー舟木店

店の裏から入っていく

竜二 「失礼します」

内田 「部長わざわざすみません」

竜二 (さっき電話に出たのが内田さんか)

店長室に入る

竜二 「店長の休みの理由は?」

内田 「夏風邪と連絡がありました」

竜二 「店舗の中を見させてください」

内田 「はい」


◯店舗の中

内田と巡回する

竜二 「店舗内、少し暑くないですか?」

内田 「私はずっと中にいるのであまりわかりませんが」

竜二 「空調は?」

内田 「同じままです」

竜二は室外機を見に外に出た

竜二 (ん?音が少し他と違うか?)

竜二は会社に電話をかけた

竜二 「真中です。経理につないで……ああ、お疲れ様。舟木店の五月の支出を出してくれ……エアコンの掃除は入ってるか?」

経理 「入ってません」

竜二 「いつもどこの業者に頼んでる?電話番号を……ありがとう」

竜二は店の中に入る

竜二 「内田さん、今年エアコン掃除が入ってないみたいですが……」

内田 「そういえば……見てないですね」

竜二 「さっき電話したんですが繋がらないんです」

内田 「すみません、店長じゃないと……」

竜二 「ああ、内田さんを責めてる訳じゃないですからね」

竜二は電話する

竜二 「お世話になります。サクラスーパーの真中です。今、舟木店にいるのですが誰かこっち方面回ってる人を一人回して欲しいのですが……はい、御願いします」


◯スタッフルーム

休憩中のパートさん達が何人かいた

竜二 「お疲れ様です」

店員 「お疲れ様です」

竜二 「この間面接したけど他に気づいたことはないですか?少し売上が落ちてるみたいなんですが……」

店員 「あの、先月西側にあった会社が潰れたので従業員の人達が来なくなったのもあるかと……」

他の店員も頷いていた

竜二 「そうでしたか。他には?気付いたこと話して下さい。店長に言いにくいなら私に言ってください」

竜二は優しい口調でにっこり微笑んだ

店員 「あと、一番端のレジの調子が悪いです」

竜二 「ではすぐに修理します。その事は店長には?」

店員 「言いましたが、ずっと休止の札を立てたままで……」

内田 「部長、業者の方がお見えになりました」

竜二 「すぐ行きます」

竜二は業者と外に出る

竜二 「すみません急に、今年エアコンの掃除が入ってないみたいで南クリーン商事というところがいつもしてたみたいなんですが」

業者 「ああ、そこは会社をたたみました」

竜二 「それで電話が繋がらなかったのか……すみませんがエアコンの掃除と室外機のチェックをお願いしたいのですが」

業者 「わかりました」

二十分後

業者 「室外機が二つ調子が悪いですね」

竜二 「では修理依頼を、急なので時間はそちらにおまかせします」

業者 「わかりました。掃除の方はこれから人数集めて………明後日なら開店を一時間遅らせてもらえればなんとか……」

竜二 「お願いします。内田さん、パソコンでお知らせを作ってください」

内田 「はい」

内田は店舗の中に戻る

竜二 「では、明後日お願いします」

業者に頭を下げて、業者は帰っていった

店長室に入る

竜二 「ありがとうございます」

内田 「いえ、助かります」

竜二 「今日中でいいから何枚か店舗に貼って一部を誰か新聞社に広告を入れに行ってもらってください。あと近所にポストインしてくれますか?」

内田 「わかりました」

竜二 「それと明後日朝から入るパートさんと社員でエアコンの掃除が終わるまで店の回りの草引きをお願いして三十分休憩させて飲み物配布してください」

内田 「はい」

竜二 「店長が明日来たら本社まで来るように伝えてくれますか?」

竜二は内田の肩をポンポンと軽くたたいた

内田 (格好いいな、部長が店長ならみんなついていくのに……)


◯サクラスーパー本社

竜二は本社に戻ると経理に向かった

経理 「部長、お疲れ様です。舟木店の五、六月の明細出しておきました」

竜二 「ありがとう。あとレジが一台壊れてるから修理の見積り出して部長に回して、それとエアコン業者が会社畳んでたから本社に入ってる業者に見てもらった。請求きたら舟木店につけておいてくれ」

経理 「はい、わかりました。さすが部長ですね(笑)」

竜二 「普通だよ(笑)」


◯本社ビル六階

真木 「お疲れ様でした」

竜二 「あっ、悪いバタバタして連絡するの忘れてたな、残業させて悪かった」

真木 「いえ、仕事してたので大丈夫です……アイスコーヒーでも入れましょうか?」

竜二 「頼む」

竜二は自分の椅子に座って目をつむり暫く頭の整理をする

竜二 「あーーー、疲れた」

真木 「お疲れ様です」

気がつくと真木がコーヒーを机に置いていた

竜二 「あっ、声が漏れたな(笑)」

真木 「いえ、(笑)部長、夏休みも取って下さいね」

竜二 「夏休みか、八月四日の予定は?」

真木 「大丈夫ですよ」

竜二 「じゃあ一日はその日で、後は君の休みを優先して構わないよ。休む日が決まったらメモ置いておいてくれ」

真木 「わかりました」

竜二 「もう、上がっていいよ。残業つけていいから」

真木 「はい、ではお先に失礼します」

竜二 「お疲れさん、あっ明後日は舟木店に寄ってから出勤する」

真木 「はい」


竜二 (あー俺も帰ろう。雫ちゃんの酢豚食べてビール飲もう)

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