太陽と月の物語
学年は二年生になった。
当たり前ながら、久しぶりに登校した学校に麻子も心くんもいなかった。
真月とは同じクラスになったものの、麻子や心くんがいてこその繋がりだっただけに、話すことなんて何もない。向こうも私がいることに気づきながらも、何も言ってこなかった。
「あ、あの子よ。あの子」
学校は針のむしろ。
これまで気づかなかったけれど、心くんは女子に人気があったらしく、私は心くんの彼女として注目を集めた。
「心くんが守ったのってあの子だって」
「えー。大したことないじゃん」
「だよねー。どうせなら、あの子が死ねば良かったのに」
面と言われることはなくても、女子からの陰口はしょっちゅう聞こえてきた。
言われる言葉を否定するつもりはなかった。だって、それは私も思っていたことだから。
どうして死んだのは心くんと麻子だったのか。
人気者の2人じゃなくて、私だったら……。
そうしたら、誰も苦しまなくて済んだのにね……。