瓦礫の剣士
副将は四番目に戦う。時には無理に攻めず大将にまわすなど、器用な選手がつくことが多い。

そしてーーー。

「大将……青羽先輩!!」

俺と尚、そして英二が言う。青羽先輩も「はい!!」と返事をした。

大将はチームの大黒柱。一番強い選手がつくことがほとんどだ。

「うわ〜、暑苦しい」

「どうせ負けるのにな〜」

白鴎高校の人たちは、クスクス笑いながら言っている。ズキンと痛む胸があるのは事実だが、今はなるべく考えたくない。

……嫌な予感がするから。

「面〜!!」

「白鴎高校、面あり!!」

試合が始まった。先鋒戦、尚と白鴎高校の浦田との戦いだ。

試合時間は五分。その間に二本相手から取れば勝ちだ。反則行為をした場合は、相手に一本与えられる。試合は一対一。自分の実力だけで相手と戦わなくてはならない。

尚の試合は、始まって三十秒ほどで浦田が面を取ってしまった。尚はあと一本取られれば負けだ。

先鋒が負けると、次鋒にかかるプレッシャーはすごい。先鋒によって、試合の流れが左右される。
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