瓦礫の剣士
去年は東海大会には進めたものの、三回戦目で負けてしまった。今年こそは、全国大会へ行きたい。

「暑〜!!」

隣で尚が汗を拭う。俺はニヤリと笑いながら尚に言った。

「今日の部活は地獄だな。剣道部あるある!夏は暑くて冬は寒い!」

「あ〜、もう!それ言うなよ〜」

笑いながら、俺たちは学校へと向かった。



一時間目の国語から六時間目の体育までしっかり受け、掃除とホームルームが終わると俺はすぐに武道場へと向かう。

木造の武道場に俺は入る。ドアを開けて中に入る瞬間、俺はいつだってわくわくするんだ。剣道をしている間は、発作を起こすことも少ない。

「こんにちは!!」

俺が挨拶をすると、マネージャーの江花(えばな)ほのか以外は全員来ていた。この部活は集合するのが早い。

「剣、今日は掛かり稽古を中心に練習する。覚悟しておけよ」

主将の青羽智久(あおばともひさ)先輩がそう言い、俺は「はい!」と返事をして部室の中へ入る。

剣道部は、三年生二人、二年生二人、一年生一人で活動している。部員数は少ないが、賑やかで楽しい部活だ。
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