うさぎ
第一章 幼き日の約束
「おーい、真於(まお)ー!早くしろー!おいてくぞー!」
「ま、待ってよ、隆之(たかゆき)!」
自分の心臓がドキドキしてるのが、身体中の振動から伝わってくる。
公園の広い野原で、先を走る隆之の後ろ姿を見ながら、流れる風の心地よさを感じる。
顔が火照って、暑くて、走ってるときの草のはねかえりが痛くて。
五才の暑い夏の日。
水筒を忘れて水分をとっていないから、喉はカラカラに乾いて、苦しかった。
新しく買ったばっかりの白いワンピースが、泥で汚れていく。
私は風で飛ばされそうになった麦わら帽子を押さえて、前を見る。
そこには、手が届きそうなところに、幼馴染の隆之がお日様みたいな笑顔で笑って足踏みしている。
私は、この一瞬が堪らなく好きだった。
「ま、待ってよ、隆之(たかゆき)!」
自分の心臓がドキドキしてるのが、身体中の振動から伝わってくる。
公園の広い野原で、先を走る隆之の後ろ姿を見ながら、流れる風の心地よさを感じる。
顔が火照って、暑くて、走ってるときの草のはねかえりが痛くて。
五才の暑い夏の日。
水筒を忘れて水分をとっていないから、喉はカラカラに乾いて、苦しかった。
新しく買ったばっかりの白いワンピースが、泥で汚れていく。
私は風で飛ばされそうになった麦わら帽子を押さえて、前を見る。
そこには、手が届きそうなところに、幼馴染の隆之がお日様みたいな笑顔で笑って足踏みしている。
私は、この一瞬が堪らなく好きだった。
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