うさぎ
面倒くさい女だなって、自分で思いながら、私は涙目で隆之を見た。

隆之は気まずそうに私から目を離すと、ゆっくりと話始めた。

「引っ越し、するんだよ。2週間後。東北に。親の離婚で」

隆之は私を悲しそうに見た。





――――両親の離婚。





私は、聞いたことを後悔した。

いくら幼馴染だからって、両親が離婚するなんて、そう簡単に言えない。

「あー、もう…。ぎりぎりまで真於には言いたくなかったんだけどな…」

隆之は、両手で頭をガシガシと掻いて、地面に寝転んだ。

「引っ越し……するんだ…」

私は隆之の言った言葉が信じられなくて、かすれた声で隆之に聞いた。
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