うさぎ
隆之の元カノに切られた何て言ったら、今度は美和がカッターでまゆきさんを刺しかねない。

「首もとのそれもそう?」

美和は私の傷口に当てられたガーゼを指差して言う。

「あー、これは……」

私は首もとの言い訳を考えてなくて必死で考える。

「……っキスマーク!キスマーク隠すため!」

急な思い付きで言った嘘にしては、上手い方だと思う。

ンンン?あれ、でも嘘じゃないような……。

「ふーん」

後ろから隆之の声がする。

あ、隆之が側にいるの忘れてた。

隆之は拗ねた顔で私を見ている。

「キスマーク、隠すんだ?せっかく俺がつけたのに」

本当の理由を知っているくせに隆之はそんなことを言う。

い、意地悪!
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