うさぎ
美和が私をなだめながら言った。

「そうだぞ、真於。
結婚式なんて、もっと大勢の前でやるんだからな。
なんなら、舌入れてあげてもいいけど」

隆之がニヤニヤしながら言う。

「おっ、隆之いいね。
是非そうしてほしいよ」

美和が楽しそうに食い付いた。

私はさっきから二人の会話を聞いて、恥ずかしくて涙目になってくる。

それに気づいた美和がぽりぽりと頬をかいた。

「あちゃー、いじりすぎちゃったか。
ほら、真於。気をとりなおして。
私今、本当に時間ないんだから」

美和が店を気にしながら言った。

私はしぶしぶといった様子で隆之と向き合う。

美和が手を握って神父のポーズをとると言った。
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