うさぎ
「――――――へー、小五で結婚の約束ねぇ。それはあるな、ワンチャン」
美和はそういうと、パックのイチゴミルクを勢いよく飲み干した。
「ねね、隆之ってイケメンなの?」
すこし食いぎみに美和が聞いてくる。
えぇ…。私はハムカツを飲み込むと、小さい声で言った。
「…分かんない」
なんだか情けなくて、小声で呟く。
え?と美和が聞き返す。
隆之がカッコいいかどうか聞かれたって分かんない。
だって、小五の時以来あってないし、なんなら写真だって、古いやつしかないし。
会いたいなぁって私は思う。
もう、隆之が戻ってくれるって言った高校生。
早く会いに来てよ、隆之…。