うさぎ
「えぇ?!」

突然そんなことを言われたのでビックリした。

「今、メイクをさせてくれるお客様がいなくて本当に困ってるんです。私が男だからかも知れませんが…。ですから、できれば逢坂さまにメイクをさせて欲しいです」

うーん、そんな真剣な顔で言われると、迷ってしまう。

私が悩んでいると、美和がいきなり手を上げた。

「あの、できれば、この子にメイクさせて欲しいな。私も勉強になるからさ」

人の意見を聞かずに、田中さんに言った。

「よろしいですか?逢坂様」

田中さんが私を見る。

あー、もう、この空気、絶対断れないじゃん!

美和、何してくれてるのよ!
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