うさぎ
うわー、とうとう始まっちゃうんだ…。

てか、すごい恥ずかしい…!

さっきから、怖さで鼻のひくひくが止まらない。

「じゃあ、始めますね」

田中さんが耳元でボソッと呟いた。

私は驚いてびくついてしまう。

「ではまず、肌の下地ですが…」

田中さんが説明しながら、メイクを進めていく。

化粧をしているから仕方ないとはいえ、田中さんに顔を触られて、私は内心緊張してしまう。

美和をちらりと見ると、美和はメイクショーを見ている人達に混じって、頷きながらメモをとっていた。

どうやら、ちゃんと勉強しているらしい。




――まるで地獄のような時間が過ぎて、とうとう私のメイクは完成した。




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