うさぎ
「それでは皆さま、゛好きな人を振り向かせるメイク゛の完成です」

田中さんが言うと、周りが一気に歓声と拍手で包まれる。

「綺麗…!」「あんな地味な顔が、こんなに綺麗になれるのね!」

周りからのそんな言葉を聞いて、私は今自分の顔がどんなになっているか不安だった。

だって、自分の顔を見れないんだもの。

田中さんは私の顔を見て、満足そうに笑うとこう言った。

「お疲れ様です。すごく綺麗ですよ。好きな人に振り向いてもらえるくらい」

私は胸が高鳴った。

私が、隆之に振り向いてもらえるくらい綺麗…?

本当に……?

メイクショーが終わると、すぐさま美和が駆け寄ってきた。
< 49 / 200 >

この作品をシェア

pagetop