うさぎ
…今思うと、小学生の私って、すごく独占欲が強かったと思う。

「んだよ、そんなことかよ…」

隆之はガシガシと頭を掻きながら、真っ赤になった顔で私に言った。



「好きだよ!俺は真於以外の女の子は好きにならねーよ!」




小学校に上がってからすこし荒っぽくなった口調で、一生懸命伝えてくれた。

聞いた私も恥ずかしくなって、ただ黙って頷いた。

顔が、すごくあつい。



それから隆之は力強く私の肩を掴んだ。

「俺は!人を好きになったのは真於が初めてだし!いや、ていうか俺は!真於と結婚したい!」

隆之の大声のあとしばらく部屋に沈黙が続いた。
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