うさぎ
美和は小声で言うと、にやっと笑った。

席を見ると、隆之はもう、学校に来ていた。

私はドキドキする胸を押さえながら、おはよう、と隆之に挨拶する。




隆之は、一瞬こちらを見て、




――――――そして驚いたように目を見開いた。





しかし、すぐに目をそらす。

こ、これでも駄目なの…!?

何も話さないまま、ホームルーム、一時間目が終わってしまった。

一時間目が終わるなり、隆之は席を立ってどこかへ行く。

美和が私の背中を叩いた。

「真於。もうワンアタックだよ」

私は頷いて、隆之の後を追って教室を出た。

隆之は、人気の無い専科棟へと進んでいく。

隆之、どこに行くんだろう……?
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