うさぎ
苦しくて、さっきから変な声が漏れる。

…でも、嫌じゃない。

どうしてだろう。分からない。

隆之…、何を考えてるの?

私は隆之の瞳を見る。

見て、ぞくりとした。

隆之の目は、獣のように鋭かった。






―――――怖い。







私が初めて、隆之に恐怖を感じた瞬間だった。

鼻がひくひくと動く。

私の恐怖の表れのサイン。

隆之が私の首元に顔を埋めた。





「――――――――ひゃっ?!」





首もとが弱い私は思わず声をあげる。





「―――痛?!」






次の瞬間、首に痛みが走った。

私は首もとを押さえて、荒い息で隆之に聞いた。

「何を…、したの…、隆之…」
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