うさぎ
その時の私は、結婚の意味が分からず、ポカンと隆之を見ていた。

「…結婚って、なぁに?」

私がそうきくと、隆之は私の肩を掴む力を弱めて、息を吐いた。

どこか呆れているような顔だった。

「んだよ…。真於知らないんか…」

隆之はがっくりと項垂れると、私に結婚の意味を説明してくれた。

「結婚って言うのは、お互いに好き同士が一生愛し合うことを誓うことだよ…」

右手の人差し指を男、左手の人差し指を女として、隆之は丁寧に教えてくれる。

隆之が両手の人差し指をゆっくりとくっつける。

その動きをじっと見ていた私は、なんだか少し恥ずかしく感じた。

隆之の説明を聞いて、私は心臓が爆発しそうなぐらい、ドキドキしていた。

隆之が、私と一生一緒にいたいと思ってくれてる。

隆之の言葉がまるでキラキラとした宝石のように、私の胸に入り込んできた。
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