うさぎ





――――――キーンコーンカーンコーン…。






二時間目開始のチャイムが鳴る。

真於はきっと、しばらくあの教室から出られないだろう。

俺も、ここから移動する気になれない。

…まさか、この高校に真於がいるなんてなぁ。

ミスったよ。

俺は、ため息をつく。

会いたくて、ほしくて堪らなかった真於が目の前にいるのに、俺は突き放すことしか出来ない。

…ここに来て数日しかたってないのに、二回も泣かせるなんてな…。

いや、俺が見ていないところでも実は泣いているのかもしれない。

最低だ…、俺。

真於は、俺を嫌いになっただろうか。

…なっただろうな、あんなことされたら。
< 79 / 200 >

この作品をシェア

pagetop