うさぎ
――――――キーンコーンカーンコーン…。
二時間目開始のチャイムが鳴る。
真於はきっと、しばらくあの教室から出られないだろう。
俺も、ここから移動する気になれない。
…まさか、この高校に真於がいるなんてなぁ。
ミスったよ。
俺は、ため息をつく。
会いたくて、ほしくて堪らなかった真於が目の前にいるのに、俺は突き放すことしか出来ない。
…ここに来て数日しかたってないのに、二回も泣かせるなんてな…。
いや、俺が見ていないところでも実は泣いているのかもしれない。
最低だ…、俺。
真於は、俺を嫌いになっただろうか。
…なっただろうな、あんなことされたら。