うさぎ





――――――あの日は、ひどい雨の日だった。








夏休みの真っ最中で、私は毎日隆之の家に遊びに行ってた。

ゲームをしたり、ただ話すだけの日もあった。

そんなときに、気づいてしまったんだ。

隆之の家に行く度に、だんだんと段ボール箱が増えていく事に。

私は、妙に不安を覚えて、隆之に聞いた。

「隆之。この段ボール箱、何?」

隆之は段ボール箱を横目で見ると「んー、何だろうな?わかんね」と棒読みで言った。

嘘をついている、と一瞬でわかった。

同じ保育園に入園した頃からの仲だもの。

互いの嘘なんて、すぐに見破れる。

私は隆之に嘘をつかれたのが悲しくて、テーブルを強く叩いた。

バン!と高い音が部屋に響く。

「どうして、そんな嘘をつくの?!私に、言いたくないことなの…?」
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