光りの中
生き様
 送って貰ったビデオを何度も観てみた。

 客席の目線から観た姿と、それ迄照明室から観ていた姿とでは随分と違う雰囲気なのが判った。

 はっきりと表情が判る。

 背筋がゾクッと来た。


 こんな目で客席を見つめていたのか……


 僕は思った。

 彼女はストリッパーではない。

 ダンサーでもない。


 女優だ……


 そうはっきりと感じた。

 無言でありながら、何かを語り掛けているのがはっきりと伝わる。

 交錯する光り……

 浮かび上がる肉体……

 観る者総ての心を鷲掴みにしてしまう目……

 手の指先から足の爪先に至る総てが、物語を演じていた。

 美しさと妖艶さを一つのストーリーとして、観る者に様々な想像をさせる舞台。

 何度ビデオを観返してみても、決して同じ感覚にはならない。

 違う想いが必ず生まれる。

 たかがストリップ。

 たかが裸踊り。

 特別にダンスが凄いとかではない。

 ダンスの上手さ、凄さだけなら、姿月以上の踊り子は数多く居る。

 表現力と一言だけで括ってしまうには、説明がつかない何かがあった。

 その何かの一部分を彼女自身の口から、僕は暫くしてから聞いた。


 彼女の原点。


 舞台に賭ける重みと凄みが、彼女自身の生き様から来ている事を知ったのは、それから暫く後の事になる。



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