鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)
私……二階堂結衣は、学生の頃に絶望した。
インターハイの優勝を目指して今まで、頑張ってきた矢先、交通事故にあう。
命に別状は、無かったがその代わり足の怪我は、手術をしてボルトを入れることに。
それが原因で出場することも速く走ることも出来ずに引退をした。
日常生活には、不便はないがもう前のように走れなくなったからだ。
あんなに一生懸命やってきたのに。
悔しくて辛くて……たくさん泣いた。
陸上の物は、全て捨てて
それに関係のあるモノは、見ないようにして過ごす日々。
ろくな趣味もなく無気力でしかない。
やる気も起きずダラダラと生活を過ごす。
すると呆れた母に無理やり大学を受験させられた。
そして数年後。卒業を迎えると今度は就職問題。
なかなか就職先が見つからず、お先真っ暗な人生に嫌気を差していたら一社だけ合格。
その会社で凄い人に出会ってしまった。
まさか、のちに私の人生に大きく関わるなんて、この時は、夢にも思わなかったけど……。
「あの……今日から営業課に配属されました
二階堂です。よろしくお願いします」
入社して当日。
深々と頭を下げて私が担当になる課長に改めて自己紹介する。
「……知っている。面接をしたのは俺だ」
いや、確かにそうだが……挨拶って大事じゃない。
ぶっきらぼうに言い返されたのは、日向課長だ。30代後半ぐらいだろうか?
高身長で鋭い目付きが特徴的だ。
そして睨まれるとかなり怖い。
嫌だなぁ……この人の部下になるのは。
「一通り集まったな。部署まで案内するから
着いてこい」
課長は、そう言うと前を歩き出した。
私の配属された営業課は、私を含めて4人配属されることになった。ハァッ……ツイてない。
ため息混じりに歩いていると、前に歩いている課長の歩き方に少し疑問を持った。
右足の歩き方に少し違和感があった。
庇いながら歩いている。癖だろうか?
まぁ、別に興味がないし。どうでもいいけど……。
それよりも所属先を替えてくれないかしら。
私は、そんなことばかり考えていた。
すると隣に居た同期の女性が私に話しかけてくる。