夏の宵と林檎飴【短編集】
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そこから先のことはよく覚えていない。
あの花火の1ヶ月後に私たち家族は引っ越して、その間大和には一度も本当のことを言えなかった。
さっきは姉心なんて格好つけたけど、多分嘘。
私は大和のことが好きで、今もその恋を引きずり倒している。
東京に来て大学まで進学して、彼氏がいた時期だってある。
なのに未だに10年ちょっと初恋を引きずっていて笑えない。
大和だって、私のことなんてもう忘れているはずなのに。
私はずっと忘れられないまま。
あれからあの田舎にも帰れていないし、きっともう会うことはないであろう幼なじみのことはもう諦めたほうがいいんだろう。