夏の宵と林檎飴【短編集】

「…っ、すきだよ、やまと…。」

口に出してしまえばそれは簡単な想いで。
けれど、それを伝えるにはあまりに手段がなさすぎた。


きらり、流れ星が流れる。
そういえば今日は天気のお姉さんがペルセウス座流星群が流れるとかなんとか言っていたっけ。

私の想いごと、この星が届けばいいのに。


手を伸ばして流れた星の軌道を追っていると、後ろに人の気配を感じた。
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