夏の宵と林檎飴【短編集】

淡い期待。
星に願いを込めて届くなんて、どんな夢物語なんだろう。

夢物語でいい。それでもいいから一縷の望みを託したくなって、私はゆっくり振り向いた。


「…あやちゃん、迎えにきたよ。花火、一緒に見るんでしょ?」


ふわっと笑う彼は、私が知っている大和よりもずっと大きく成長していて。
けれどしっかり面影が残っていて、目の前にいる彼が大和であると確信する。


「…っごめん、ごめんね…。約束守れなくて、ごめん…!」

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