再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
嫉妬のち告白
「美桜ちゃん、飲み込みが早いわね。この調子ならスムーズに引き継ぎが出来そうだわ」
緑さんに褒められ、思わず笑みがこぼれた。
あらかじめ緑さんが引き継ぎ書を作ってくれていたので、それを見ながら説明してもらった。
実際に私がやってみて、分からないところは聞きながらノートにメモをしていくの繰り返し。
今までは身体を動かしての仕事だったけど、ずっと椅子に座っての作業だから最初は慣れなかった。
一週間も経てば、だいぶ要領は分かってきた。
「お疲れ」
外出先から戻ってきた副社長は有名和菓子店『霜月堂』の袋を手に持っていた。
「お疲れさまです」
「緑ちゃん、これお土産。みんなで食べて」
「いいんですか?ありがとうございます」
「美桜ちゃんも遠慮せずに食べてね。ここのいちご大福絶品だから」
副社長は私にも声をかけてくれた。
この和菓子店は数量限定の栗まんじゅうやいちご大福が有名だ。
なかなか食べる機会がなくて、いつか食べたいなと思っていたんだ。
「ありがとうございます。いただきます」
「美桜ちゃん、ちょっと休憩しておやつタイムにしよう。副社長、飲み物は何がいいですか?」
「濃い抹茶でと言いたいところだけど、ブラックコーヒでお願い」
「分かりました。美桜ちゃん、給湯室に行こう」
「はい」
緑さんに促され、私は給湯室に向かった。