再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「この黒のマグカップが副社長のね。で、この白と黄色のストライプが社長のやつ」

緑さんが棚に置いていたマグカップの説明をしてくれるので、脳内メモにしっかりと記憶していく。

「まぁ、この二個だけ覚えておけば、あとは適当でいいから。女子は飲みたくなったら自分でするし、美桜ちゃんも自分用のマグカップを用意しておけばいいよ」

「分かりました」

緑さんはコーヒーを淹れると、いちご大福の入っている箱を開けた。

「うわ、美味しそう」

思わず声に出してしまった。
箱の中には黒あん、白あん、カスタードクリームあん、チョコあんの四種類のいちご大福が入っていた。

「俺はチョコをもらうね」

給湯室にやってきた副社長はチョコのいちご大福を取り、それを一口で食べた。

「やっぱり美味いな」

「はい、コーヒーです」

「サンキュ」

緑さんからマグカップを受け取ると、それに口をつける。

「美桜ちゃんはどれにする?」

「私は白あんにします」

「じゃあ、私はカスタードにしようっと」

私と緑さんはいちご大福とコーヒーの入ったマグカップを手に自分の席に戻る。
私のマグカップはまだないので、来客用のコーヒーカップを貸してもらった。

「美味しい」

緑さんはいちご大福を頬張り幸せそうな表情になる。
さすがにこれは一口では食べれない。
私もいちご大福にかぶりつくと、白あんの甘さといちごの果汁が口の中に広がった。
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