再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「それこそ、私とテツの間でのことだから、あなたに関係ないと思います。テツのことが好きなら私のことなんて気にしなければいいでしょ」

努めて冷静に言葉を紡ぐ。

「確かにそうね。でも、邪魔になるような芽は例え小さくても取り除いておきたいのよ」

さっきから邪魔邪魔連呼してイライラする。
私、この人とは絶対に気が合わない。

「呼び止めて悪かったわね。あなたとは二度と会うことはないと思うけど、邪魔だけはしないでね。それじゃ」

堂島さんは買い物かごを手にスーパーの中へと消えていった。


***

あー、ムカつく!
何よ、あの人!
ゴシゴシとスポンジで浴槽の掃除をしながら怒りをぶつける。

帰ってすぐに晩ご飯の下ごしらえをした。
今日は十九時過ぎには帰ってくると言っていたので、それに合わせていろいろと準備する。
ある程度、ご飯の支度が出来たのでバスルームで風呂掃除を始めた。
ふと、さっきのスーパーでの出来事を思い出して悪態をついていた。

好き勝手に言いたいことを言って、二度と会うことはないですって?
それはこっちの台詞だし!
でも、あのスーパーを利用しているってことはまた会う可能性はゼロじゃない。
ホント最悪だ。

テツも何がよくてあの人と付き合ったのかな。
無理矢理付き合わされたって言ってたよね。
一週間も経たずに別れたみたいだけど、理由は何だったんだろう。

あの人はやり直したいって言ってるけど、テツはどうするのかな……。
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