再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「……き」
「え?何て言ったんだ?」
精一杯言ったつもりだったけど、思いの外、声が小さかったみたいで聞き返してきた。
こんなの恥ずかしすぎるけど、テツは何度も自分の想いを私に伝えてくれていた。
私もちゃんと伝えないといけない。
「だから、好きって言ったの」
照れくささを隠すように俯き早口で告げた。
すぐに反応が返ってくると思っていたのに、テツは黙ったままだ。
恐る恐る顔をあげると、テツは驚いた様子で口をポカンと開けていた。
もしかして、また聞こえてなかった?
さっきより声は大きかったと思うんだけど。
不安になっていたら、私をまじまじと見つめてきた。
「今の、俺の空耳じゃないよな?」
なによ、それ。
私の精一杯の告白を空耳にしないで欲しいんだけど。
まぁ、あんな雑な告白もどうかと思うけど、私なりに頑張った方だ。
ムッとしながら答える。
「テツが空耳って言うなら空耳かもね」
立ち上がって部屋に戻ろうとしたら、テツに腕を掴まれソファに逆戻り。
しかも、テツの膝の上に跨がるような形になっていた。
普段ならこんな格好は恥ずかしいとか文句を言っているかも知れない。
だけど、真摯な瞳を向けられ、そんなことを考える余裕もなかった。
「ごめん。まさか、美桜がストレートに好きって言ってくれるとは思ってなかったから驚いたんだ」
テツは小さく咳払いをしたあと、ゆっくりと言葉を紡いだ。