再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「美桜ちゃんの考えた玉子焼きアラカルト好評ね」
「ホントですか?よかったです」
おばさんの言葉に洗い物をしていた手を止めた。
先月、おばさんから何かメニューを考案してみないかと言われ、私は玉子焼きのアレンジメニューを考えた。
砂糖たっぷりの甘い玉子焼き、だし巻き玉子、玉子焼きの中にウィンナー、ほうれん草、チーズ、明太子を入れたりと計六種類。
いろいろな種類があったら選ぶ楽しみもあるし、食べ比べてもらいたいなという思惑もあった。
子供にはウィンナーやチーズ、甘い玉子焼きが大人気。
年配の方にはだし巻きやほうれん草が人気だ。
今日も上村さんがこの二種類を買ってくれたし、好評と聞いてホッとした。
「そうそう。今日、美桜ちゃんが配達に行ってたから久々にレジに入ったの。その時にね、イケメンが来たのよ」
「へぇ、イケメンですか」
おばさんはアイドルとか大好きでイケメンには目がない。
「ちょっと、美桜ちゃん!もっと興味を示してよ」
私の反応が気に入らなかったのか、口を尖らせる。
「えー、だってイケメンとか興味ないですもん」
「またそれだ。イケメンなんて実際にはそうそういないんだからお目にかかれるのは貴重なのよ!」
「またそんなこと言って……」
呆れたように話に割り込んできたのは、オーナー兼店長のおじさんだ。
「あら、いいじゃない。見てるだけで誰にも迷惑をかけてないんだから。あなただって昔はイケメンだったのに……」
そう言ってため息をつく。