再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「あの時の哲平くん、今までになく緊張してたよな。俺に余計なことは話さないでオーラを出してたし」
戻ってきた朔斗さんも話に加わり、あの日のことを思い出している。
「へぇ、そうなんだ。緊張する哲平を見てみたかったな」
貴臣はビールに口をつける。
やっぱり楽しんでないか、こいつ。
「話を戻すけど、美桜にはちゃんと説明したあとに謝って許してもらえた」
「そうか、よかったな!あの卒業式の時のへこみ具合は半端なかったからな。あのあと俺が早く謝れって助言してやったのに、変な意地を張って謝らないから避けられて。極めつけは、夏木さんが引っ越して疎遠になるとか。俺、マジで哲平はバカなんじゃないかと思ったわ」
バシバシと俺の背中を叩く。
貴臣のやつ、さっきから失礼なことを言いすぎだろ。
「でもさ、夏木さんのことをずっと想い続けてたから彼女とか作らなかっただろ。どんだけ一途なのかと思ってたけど、十何年ぶりに再会できるとか運命だな。お前、付き合ってる人いないんだから告白すればいいじゃん」
「もう告白して付き合ってる」
「はぁ?」
貴臣は驚きのあまり、椅子から転げ落ちそうになった。
「何やってんだよ」
「お前のせいだろ!展開が早すぎてついていけないんだけど」
貴臣は体勢を整え、椅子に座り直す。
「あれから上手くいったのか。よかったな」
朔斗さんは自分のことのように喜んでくれた。