再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
いろいろあったけど、美桜の口から『好き』という言葉を聞けて最高の気分だ。
恋人同士になって一週間が経ったけど、寝室は別のままだ。
俺の部屋のベッドで寝ればいいだろと言ったらあっさり却下。
そこは今まで通りにしたいと言われ、渋々納得した。
あと、会社では極力話しかけないでと言ってきた。
他の社員の人にバレたくないという理由らしい。
美桜には悪いが、多分バレていると思う。
俺は美桜以外の女子社員とは親しく話をしていない。
強いて言えば、この前退職した竹之内さんぐらいだ。
正直、海里や俺を含めあの会社で竹之内さんに敵う人はいないだろう。
まぁ、そこはなるようになれという感じで俺は俺のペースで話しかけると思うけど。
「まあ、とにかくよかったな」
貴臣は飲んでいたビールのグラスを俺の前に置かれていたグラスにカチンと合わせる。
「ありがと」
「幼い頃から想い続けていたんだ。大切にしろよ」
「言われなくても分かってるよ」
ジンジャエールのグラスを持ち、口をつけた。
「また夏木さんに会わせてよ」
「嫌だ」
「即答かよ!何で嫌なんだよ」
「お前、変なことを美桜に吹き込みそうだからな」
「失礼な!哲平に不利になるようなことを言うわけないだろ」
「どうだか」
「「……」」
お互いに顔を見合わせると、二人同時に吹き出した。
「まぁいいよ。今日は俺が会計しておくからお前は早く帰れ」
「悪いな、じゃあまた」
「おー。またな」
椅子から立ち上がり、朔斗さんにも挨拶してバーを出た。