再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「どうしたの?何か不安に思ってることがあるなら言って。私でよければ相談に乗るし」

私の顔を覗き込み優しく微笑む。

「私って彼氏のコネで会社に来たと思われてますよね?浮ついた気持ちで働き始めたと思われてたら……」

「うーん、コネか……。確かに鳴海くんが社長に美桜ちゃんを薦めたという話は聞いたよ。だけど、コネでも何でも仕事が出来ないと話にならないよね。美桜ちゃんは一生懸命仕事を覚えて努力している姿をみんな見てる。だから、そんなことで美桜ちゃんを嫌うとか絶対にないから大丈夫だよ」

力強く言われ、泣きそうになる。
今までの仕事と勝手が違うし、事務作業が多い。
覚えることもたくさんあって、私なりに努力したつもりだ。
それを認めてもらえた気がしてすごく嬉しくなった。

「あの、一つだけいいですか」

「なに?」

「私がこの会社に来た時にはテ、鳴海くんとは付き合ってません」

「えっ、そうなの?」

「はい。これだけは言いたくて」

些細なことだけど、そこは訂正しておきたいなと思った。

「分かった。そこは美桜ちゃんには譲れないポイントだったのね。さて、昼休みも終わるから急いで戻ろう。メイクも直さないといけないからね」

恵利さんにポンと肩を叩かれ、急ぎ足で会社へと向かった。
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